放射光(Synchrotron Radiation)実験用加速器
高エネルギーの電子が磁場の中を運動するとき、電子はフレミングの左手の法則に従って、円運動の中心に向かって力を受け、軌道が曲げられます。この時、電子の周りにあった電磁場が振り落とされるようにして、図1のように電磁波が円軌道の接線方向に放射されます。この電磁波を放射光(Synchrotron Radiation)と言います。この放射光を利用するための加速器は、図2のように円形の電子シンクロトロン加速器です。この加速器では、加速が終わったビームは、加速器から外部へ取り出すのではなく、その円軌道にそって回り続けるので貯蔵リング(Storage Ring)とも呼ばれています。



シンクロトロン軌道の中にある偏向電磁石に於て、電子が曲げられるとき発生する放射光は、極紫外線からX線に及ぶ広い波長領域をもっています。そのエネルギー分布は2.5 GeVのKEK放射光研究施設の場合、図3のようになります。
また、図4のようなN極S極が交互になるように配置した永久磁石列(アンジュレータ挿入光源という)中に、電子ビームを通すと、電子は細かく蛇行し、放出される光同士が干渉して、エネルギーのそろった強力なX線を得ることができます。図3にその場合のエネルギースペクトルの例を示しました。放射光は、強力な光源として、多種多様な研究に利用されています。




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