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物質が原子(アトム)からなるという考えは、紀元前500年頃に古代ギリシャのデモクリトスによって提唱されました。この"アトム"の語源は、「不可分のもの」という意味です。今日的な意味での原子の概念は、19世紀になってドルトン(J. Dalton)によって化学の世界の"質量保存則"と"定比例の法則"を説明するものとして確立されました。
19世紀末になって、この不可分の物質構成要素としての原子の考え方を根本から揺さぶるような3つの重要な物理学上の発見が相次いでなされました。それらは、
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レントゲン(W.C. Roentgen)によるX線の発見(1895) |
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ベクレル(A.H. Becquerel)によるウラン元素からの放射線の発見(1896) |
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トムソン(J.J. Thomson)による電子の発見(1897) |
です。トムソンは、これらの事実から、原子は負の電荷を持つ電子とそれと同量の正の電荷を持つ粒子とが均一に混じり合って全体として電気的に中性になっていると考えました[トムソン模型]。これに対して、長岡半太郎はちょうど太陽系のように中心に正電荷をもつ核がありその周りを負電荷をもつ電子が惑星のように回っているという原子模型[長岡模型]を提唱しました。
この2つの原子模型の優劣を決定したのがラザフォード(E. Rutherford)による有名な散乱実験です。彼の研究室では、α線(ヘリウムの原子核)を金属箔で散乱させて、その散乱角度がどうなるかを測定しました。驚いたことに90度より大きい角度で(後方へ)散乱される確率が意外と大きかったのです。ラザフォードは、この実験結果を正電荷が原子の中心に集中していると仮定して見事に説明することに成功しました(1911)。これが「原子核」の発見です。彼は、原子核の半径として3x10-12cmという結果を得たのです。(現在では、原子核の半径は1.5x10-13cm程度であることが知られています。)
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