ベクレルによる放射能の発見以来、この放射線の実体は何なのかが問題になりました。物質中での透過率の違いから、ラザフォードは2種類の放射線が出ていることをつきとめ、α線とβ線と呼びました。これらより更に物質中での透化能が高い電気的に中性の放射線、γ線が出ていることも発見されました。β線が電子であることは早くに解りましたが、α線がヘリウム原子核であることはラザフォードによって後に証明されました。
α線 β線 γ線
実体 ヘリウム原子核線 電子 光子
電荷 +2e -e 0
物質透化能 小さい 比較的大きい より大きい


ラザフォードは、また、このように放射線を出して崩壊していく原子核の数は、下図の線Bのように指数関数的に減少していくことを見いだしました。このことは、単位時間当たりに崩壊する原子核の割合が一定であるとすると成り立つことがわかります。原子核の数が半分になるまでに必要な時間を"半減期"と呼びます。半減期は、原子核の種類により、10-25秒から1010年まで様々です。
原子核の中には、このような放射性崩壊に対して安定な原子核が約300種類あり、約6000種存在すると考えられている不安定核のうちの約3分の1の存在がこれまでに確認されています。多くの質量数(A)と原子番号(Z)の組み合わせのなかで、原子番号が同じで質量数の違う原子核(例えば、)を同位体(アイソトープ)と呼び、質量数が同じで原子番号が違う原子核を同重核などと呼んでいます。





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