本当の意味での素粒子の世界は、複雑なものではないはずです。実際、物質の素粒子と考えられているクォーク族とレプトン族は、今のところ、複合粒子である兆候がまったく見あたりませんし、しかも非常に簡単に整理されています。この高度な秩序(対称性)は、その背後にもっと基本的な物理法則があることを、私達に教えようとしています。

クォークとは?
1960年代、数百種類にも上るハドロンを分類するよい方法が提案されました。陽子、中性子などバリオン族はクォークと呼ばれる小さな素粒子3個、また、パイ中間子など中間子族は一対のクォークと反クォークからできていると考えるアイディアでした。

当時、3種類のクォークがあると考えられました。たった3つのクォークによって、数百のハドロンを分類し、その性質を予測できることは、革命的な進展でした。

3つのクォークはアップ、ダウン、ストレンジと名付けられました。電子がその電荷を通じて電磁気力を感じるように、クォークは『赤、青、緑』の3つのカラー荷を通じて強い力を感じます。

このクォークモデルの提唱以来、今日まで、数多くのクォーク探索が行われましたが、未だ単独では発見されていません。これは強い力の持つ特異な性質によるためと考えられています。

クォークは単独で取りだした形では見つかっていませんが、その存在は、高エネルギーのレプトンで陽子を激しくたたく(非弾性散乱)実験により、陽子の中に存在する点状粒子(パートン)として確認されています。

レプトンとは?
レプトン(軽粒子)とは、強い力を感じない素粒子のことです。
それらは電子、ミューオン、タウとそれと対をなす電子ニュートリノ、ミューオン・ニュートリノとタウ・ニュートリノです。
ミューオンは20世紀の初頭に宇宙線の中で発見され、タウは電子陽電子衝突型加速器で20年ほど前に発見されました。





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