高エネルギー加速器研究機構
環境報告2007
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J-PARC建設とオオタカの保護 〜希少鳥類生息地への配慮〜

  本機構と日本原子力研究開発機構が共同で進めているプロジェクトとして、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設が2001年度から始まりました。建設地周辺には、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で国内希少野生動植物種に指定されているオオタカの営巣木があるとの指摘を受け、2004年から日本野鳥の会茨城支部に生息、繁殖状況の調査をお願いしてきました。初年度の調査では、建設地周辺に2つがいのオオタカが生息していることが確認され、それ以降、2年連続してそれぞれのつがいの巣から1羽ないし2羽のヒナが巣立ったことが確認されました。

  J-PARCの建設工事を進めるにあたっては、日本野鳥の会の指導のもとに、以下の保護対策を実施しました。

  • 最も神経が過敏になる抱卵期には、オオタカにストレスを与えるような工事を行わない。特に、高所作業に配慮する。
  • 子育て期間中は営巣場所近くにおける工事を制限する。
  • 巡視道路より南には、事情の如何にかかわらず立ち入らない。
  • 天敵のカラス対策として生ゴミの野積みを行わない。
  2006年の調査結果では、新たなつがいが形成され3つのつがいが微妙に影響を及ぼしながら生活するオオタカの社会が形成されたということです。現在、建設工事は環境整備の段階に入り、周辺環境には静穏が戻りつつあります。本機構では、今後も突発的な騒音や振動を控えめにし、工程上やむを得ない場合もオオタカの神経が過敏になる時期を避けるなど、オオタカの生活環境に影響を与えないよう配慮してまいります。