放射線科学センター専門技師の豊田晃弘氏が令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰研究支援賞を受賞

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者が4月7日に発表され、研究支援賞に共通基盤研究施設放射線科学センター専門技師の豊田晃弘さんが選ばれました。表彰式は各賞の代表者のみで4月19日に文部科学省で行われました。その後、表彰状と文部科学大臣表彰メダルがKEKに届けられ5月19日に機構長より手渡されました。

受賞の対象は「放射化物管理システムの開発と運用による加速器実験への貢献」です。豊田専門技師は大量の放射化物を現場で迅速に登録・管理することができる管理システムの構築を行いました。放射化物とは、高エネルギーの加速器の運転に伴って発生する放射能を持った物質です。KEKの加速器はエネルギーが極めて高く大量の放射化物が発生するので、それらを安全に管理する必要があります。そのためには、専門的な知識と技術に基づいた独自の放射化物の管理システムの構築が必要でした。豊田氏は、サーベーメータによる線量率測定結果と、主な材料、重量から登録に必要な核種、放射能を大まかではあるが安全サイドに評価する方法を採用し、ハンディターミナル、バーコード利用、現物写真登録可能などのアイデアを付け加えながら独自のシステムを構築しました。そして、放射化物の法令対応開始から、効率的に放射化物の管理を行うことを実現し、今日まで8年間にわたり放射化物管理の運用の実績を積んで、機構の大型加速器を用いた共同利用の推進に大きく貢献してきたことが今回の受賞につながりました。

本件受賞に対し豊田専門技師は「今回の受賞対象となった支援技術は、設計開始当時の放射線管理室長だった桝本さんを始め、放射線科学センターの職員、協力業者、放射化物を実際に保管している研究所・施設の担当者など多くの方の協力の元で築き上げられてきました。そして、現在も様々な方々の協力を得て運用している実績があっての受賞と思っております。」と語っています。

賞状を手にする豊田専門技師

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