運転中のトンネル内を観察可能な小型ロボットの開発に成功

放射光施設の安全で効率的な運転を可能とするために、運転中の加速器トンネル内を観察可能な遠隔操作の小型ロボットを開発しました(写真1)。
このロボットはフォトンファクトリー(PF)での運用を想定して、機械工学センターの高巣晃(たかす あきら) 助教らや加速器研究施設の帯名崇(おびな たかし) 研究主幹らで共同開発しました。
運転中の放射光施設のトンネル内は放射線が発生するため、人が立ち入ることができずにいました。しかし、運転中にリアルタイムにトンネル内の温度や放射線強度を測定することはトラブルの未然防止につながり 、加速器の運転・開発 に有用な情報を与えます。
ロボットは手のひらサイズの小さな筐体(きょうたい) にウェブカメラと熱感知カメラ、そして放射線強度センサーを搭載しています。安全な部屋から遠隔で操作して、運転中のトンネル内を走行させ、リアルタイムにトンネル内の様子を観察することができます。 これまでに運転中のトンネル内で複数回の運用実績を持っており、その安定性を確認してきました。本成果は8月に加速器学会で発表され、また来年1月の放射光学会での発表を予定しています。
将来的にはより大型で高機能なロボットの開発につなげていく予定です。

写真1 フォトンファクトリーの光源加速器トンネル内を走行する小型ロボットの様子