技術部門とは


ご挨拶

 高エネルギー加速器研究機構ではそれまで運営してきた技術部のライン制を平成16年4月に廃止してスタッフ制へと改組しました。この年は国立大学・大学共同利用機関の法人化がスタートした年に当たります。この法人化は国立大学、国立共同利用研究機関を国の組織の枠組みから外すことにより、自主性・自律性を拡大し、大学、研究機関がそれぞれ特色を生かした教育、研究活動を果たすことを目的としたものでした。 研究職、技術職、事務職と、それぞれの職種に応じた役割分担で基礎科学、加速器科学の発展に寄与することに努力して15年が経過しました。

 15年前の技術職員は、それまでも十分に専門家でしたが、さらに専門性を磨くこと、花形ではないが裏方の技術者がしっかり見える運営を目標にしました。ゴールは定めました。色々な新しい制度も定着してきました。

 茶道の「守、破、離」に当てはめると、「守」の型が出来るようになりました。型が出来ると言うことは、悪く言うと「ルーチン化」していきます。仕事をこなすことに目が行きます。次の「破」は型を破って応用する段階です。他流も研究する、新しい考えや工夫を模索し試みることだそうです。良きにつけ悪しきにつけ何も変えないことが一番悪いことだと言った経営者がいます。

 次の「破」に向かって、色々なことを試して行きたいと思います。

令和元年 吉日

 

KEK技術職の年表

KEKでは昭和46年の研究所の設置から6年で、物理研究や加速器研究のための技官組織が設置されました。スタート時は76名でしたが、12GeV陽子シンクロトロン、放射光施設、トリスタン加速器計画とともに1部12課4班61係、総勢157名の組織となりました。

2004年大学共同利用法人高エネルギー加速器研究機構となるとき、技官組織は大きな制度変更を行いました。

  1. 職制の変更(主任技師、先任技師、技師、准技師、技術員)
  2. それに伴う技術職俸給表の導入
  3. 昇任を公募制に
  4. 部課長の管理職を廃止し、技術調整役、技術副主幹の併任職の導入

また、2010年 若手から頼りになるシニア技術者を評価できる環境の整備として専門技師を導入しました。

2019年現在、組織化から42年目になります。当初の技術部組織は27年目に解体してしまいましたが、その代わり技術部門連絡会議をもって、各研究所、各研究施設間の連絡、調整を行っています。

 

2006年技術職俸給表、機構内公募制、併任職の導入

技術部

法人化後

ライン制職階

スタッフ制、技術よる職位

在級年数と年功序列

求人型機構内公募制の導入

行政職俸給表

技術職給与表

部長・課長

任期付き併任職のリーダー

shokuzu
 
 KEK技術職の年表
1955年 昭和30年 東京大学 原子核研究所 設立 技官または技術職員数
1971年 昭和46年 高エネルギー物理学研究所 設立 7名
1973年 昭和48年   教室系技官 48名
1977年 昭和52年 技術部設置(1年) 1部 5課19係 76名
1982年 昭和57年   1部 9課33係 93名
1986年 昭和61年   1部11課50係 126名
1990年 平成 2年   1部12課 4班61係 157名
1997年

平成 9年

高エネルギー加速器研究機構へ改組
 

 

  1部1次13課14班71係 172名
2003年 平成15年   1部1次13課14班71係 165名
2004年

平成16年

法人化と同時に職制の変更(27年目)
    主任技師2、先任技師14、技師、准技師、技術員 162 名
2006年 平成18年 技術職棒給表、機構会公募制、併任職の導入
2010年 平成22年 専門技師の導入
    主任技師2、先任技師16、専門技師20、技師、准技師、技術員 149名
2019年 令和元年 (42年目)
    主任技師2、先任技師19、専門技師28、技師、准技師、技術員 137名
 

組織概要

本機構の技術職員は、素粒子原子核研究所、物質構造科学研究所、加速器研究施設、共通基盤研究施設にそれぞれ、直接所属しています。いわゆるスタッフ制です。

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