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千葉大学理学部物理学科新入生がKEKを見学

2019年4月4日(木)に、千葉大学理学部物理学科1年次の学生約40名がKEKを訪れました。千葉大学理学部物理学科では毎年この時期に新入生が研修の一環でKEKを見学しています。

当日は、初めに放射光実験施設フォトンファクトリーとBelle II実験施設を見学しました。その後、物質構造科学研究所の瀬戸 秀紀 副所長と素粒子原子核研究所の西田 昌平 准教授による講義が行われました。

瀬戸副所長は、“ソフトマターを加速器で観る〜「やわらかなもの」の科学”というタイトルで、初めに、放射光と中性子を加速器でどう作るかと言う話題で測定の原理と手法の紹介をしました。その後、皮膚や界面活性剤、ゲルを題材にした研究例を示し、ソフトマターと呼ばれるやわらかい物質の物理とはどのようなものか説明しました。

西田准教授は、“いよいよ始まったBelle II実験”というタイトルで、素粒子物理学の基本から説明し、標準模型で予想されていない新粒子の生成や、宇宙誕生直後には存在していた反物質が消えた謎の解明といったBelle II実験が目指す物理を解説しました。さらに、SuperKEKB加速器やBelle II実験の装置の話や、Belle IIプロジェクトが始まってから本運転が開始した現在までの道のりなども説明しました。

両講義では参加者から活発に質問が出ました。例えば、西田准教授の講義で「Belle II実験で生成される粒子には様々な組み合わせがあり、どの粒子が出てきたのかを区別できるのか」という質問が挙がると、西田准教授は「そこが実験の難しいところですが、標準模型では絶対起こりえない崩壊や、予想よりも大きな確率で起こっている崩壊を調べます。そこから標準模型が実験結果と異なっているかをよく吟味する事が重要です。」と答えていました。質疑応答では新たに物理学の世界に踏み込んだ学生からの質問が絶えず、講義後も瀬戸副所長や西田准教授と議論を交わす積極的な学生の姿が何人も見られました。

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