ミュオンによる広域中間子科学の研究(中間子科学研究施設)
当施設では、1980年に世界に先駆けてパルス状ミュオンビームの発生と利用に成功して以来、パルス状ミュオンを用いた先端的な研究を推進し、ブースター加速器を用いた研究の一翼を担ってきた。その研究分野は下に列挙されるように物性物理をはじめとし、ミュオン触媒核融合、核物理、原子物理、化学等の学際分野にわたっている。
また、超低速の正ミュオンビームを得て新しいミュオン科学研究を開拓する超低速ミュオンプロジェクトが進行している。 このプロジェクトでは、新たに分岐したブースターの一時陽子ビームライン上に高温タングステン標的を超高真空中に置き、タングステン表面から熱ミュオニウム(正ミュオンと電子とでできる原子)を発生させ、このミュオニウムをレーザーで共鳴イオン化させることで低速ミュオンを得る。平成6年度に本格的な超低速ミュオンの発生に成功した後、性能向上と利用の実験が行われている。当施設の主な研究テーマは、以下の通りである。

1. ミュオンをミクロなプルーブとして用いる微視的磁性の研究
高温超伝導体の磁気的性質の研究
磁性体のスピン振動の研究
2. ミュオンの拡散やミュオンが創り出す物質中の励起状態の研究
軽粒子の金属中量子拡散の実験的検証
半導体中のミュオン状態とその光化学反応
ミュオンによる一次元共役高分子のソリトン励起
3. 超低速ミュオンの生成と利用
熱エネルギーミュオニウムの生成
表面磁性及び表面でのミュオニウム反応
レーザー共鳴を用いたミュオニウム準位の超精密測定(量子電磁気学の検証)
4. ミュオン触媒核融合の基礎研究
ミュオン触媒核融合におけるアルファ付着率の直接測定
負ミュオンの原子間移行現象の研究
ミュオン触媒核融合を用いた低速負ミュオンビームの開発


超低速ミュオン発生用の強力なパルスレーザー発生装置




研究者にインタビュー
素粒子原子核の研究って何?
物質構造科学の研究って何?
加速器とは?・・・VRML
ごあいさつ

物質科学そして物質構造科学
物質科学そして物質構造科学−構造と現象
放射光研究施設−光と物質科学
放射光研究施設−研究分野
放射光研究施設
放射光研究施設−軌道秩序の直接的観測
蛍光X線/単色X線
中間子科学研究施設
日英中性子散乱研究協力事業
ミュオンによる広域中間子科学の研究

copyright(c) 2008, HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION, KEK