機械工学センター今月の逸品:沸騰試験装置
素粒子原子核研究所からの依頼で沸騰試験装置を製作しました(図1)。角管に底板(円板)を溶接し、側面にフランジやのぞき窓を加工していますが、今回取り上げたいのは横に出ているパイプです。パイプを市販の継ぎ手で繋いでいるだけなので一見簡単に思えるかもしれませんが、組み立て方法まで考えて設計しないと、いざ作ろうとしたときに作れない、もしくは作った後で分解できないことになりかねません。例えば下から順番に継ぎ手とパイプを交互に組んでいくと一番上の最後の継ぎ手を入れることはできません。そこで上下にユニバーサルジョイント、回転継手などと呼ばれる継手(図2 黄色矢印)を入れることでこの問題をクリアしています。
また、コの字の縦の長さと角管の穴の位置を合わせるために、パイプを途中で溶接することで長さを調節しており、工夫の跡がうかがえます。