陽子線がん治療装置 ©︎Romina.cialdella
現代において、加速器は素粒子の研究のみならず様々な用途に使われています。最も多いのは医療用の加速器です。加速器は適切な技術を用いることで任意のエネルギーの粒子を作り出すことができる優れた装置です。この粒子を用いることで、透視がん治療PET(陽電子放出断層撮影)や標的療法などのための同位体生成などが可能なため、多くの医療現場で利用されています。2019年の日本アイソトープ協会の統計によると、日本国内にある加速器は1,747台、そのうち75%にあたる1,310台が医療用なのです。
ILCの超伝導技術を医療用加速器に応用すると、装置の大幅な小型化が可能になると考えられています。小型化した装置を車に搭載すれば、近くに大きな病院が無くても検査や治療を受けられるようになると期待されています。