低速陽電子実験施設

KEK

Rezwan AhmedさんがEarly Career Researcher (ECR) Poster Prizeを受賞

2024年6月16日から21日、英国ハロゲートで開催された第17回欧州真空会議(EVC-17)/第37回欧州表面科学会議(ECOSS-37)において、物質構造科学研究所 低速陽電子実験施設 博士研究員のRezwan Ahmedさんが、Early Career Researcher (ECR) Poster Prizeを受賞しました。授賞式は、6月24日の閉会式の中で行われました。

Rezwanさんは『Report on New Findings in Low-Energy Positron Diffraction (LEPD) Experiments for Surface Structure Analysis』と題したポスターで、低速陽電子実験施設において、大幅に改造した低速陽電子回折(LEPD)ステーションの特性、および、装置の性能評価のために測定したCu(001)面に対するI-V曲線のデータとその解析を紹介しました。LEPD は低速電子回折(LEED)の陽電子版で、表面数原子層の構造解析(原子配列の精密決定)手法です。
並行して行ったビーム輸送の改善の効果もあって、各エネルギーのLEPDパターンは1分で取得できるようになり、2時間程度で1つの表面の構造解析に必要な枚数の回折パターンの測定が終了します。
解析は、LEEDで広く用いられているプログラムで、入射粒子の電荷の符号のみを変えて行いましたが、表面感度が低速電子回折 (LEED)より高く、I-V曲線の測定と理論の一致がLEEDに比べて極めて良好であることなどが明らかになりました。

これらのことが多くの参加者の注目を集め、高く評価されての受賞となりました。

ECR Poster Prize AHMED Rezwan