H.Tada

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譲渡する高電圧電源ボードを手にする住澤一高 講師(KEK素核研、写真左側)と瀧田正人 教授(東大宇宙線研究所、写真右側)。 /<i class='fa fa-copyright' aria-hidden='true'></i> KEK

譲渡する高電圧電源ボードを手にする住澤一高 講師(KEK素核研、写真左側)と瀧田正人 教授(東大宇宙線研究所、写真右側)。 / KEK

2019年12月18日にKEK素核研Belle実験グループから東京大学宇宙線研究所 チベットASγ実験グループへ、実験に使用した機器の一部が譲渡されました。今回譲渡されたのはBelle実験で使用されていた、数千Vもの高電圧を生み出すことのできる高電圧電源ボードと高電圧電源用メインフレーム(電源ボード制御用コンピュータ)です。

Belle実験は、KEKつくばのKEKB加速器で電子と陽電子を衝突させ、そこから生じた粒子を調べることで粒子と反粒子の対称性の破れなどを研究する実験で、小林誠・益川敏英両博士の2008年のノーベル物理学賞受賞に貢献しています。Belle実験のデータ取得は完了しましたが、現在、データ解析は行いつつ、KEKB加速器とBelle実験をアップグレードしたBelle II実験が行われています。

譲渡の対象となった高電圧電源ボードと高電圧電源用メインフレームは、Belle/Belle II実験では既に使用していませんでしたが、チベットASγ実験グループでは現在でも使用しています。ところが、メーカーで生産が終了してしまい、新たに購入もメーカーへの修理依頼も不可能になってしまいました。そこで資産を有効に再利用してもらおうと、今回研究機関や実験グループを超えての資産譲渡が実現しました。当日は機器の譲渡に加え、故障に備えて修理のノウハウも共有しました。

資産譲渡に立ち会った素核研Belle/Belle II実験グループの住澤一高 研究機関講師は、「実験を長く続けていると使わなくなるものも出てくるので、それらを再利用してもらえるのは良いことです。」とコメントしました。

資産譲渡の作業風景。

資産譲渡の作業風景。


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