水素原子が形成された時代、宇宙はほとんど一様な軽元素ガスと輻射(光:電磁波)で満たされており、銀河や星と言った天体は存在していませんでした。その頃に存在したほんのわずかな密度の揺らぎが種となり、数億年以上かかって現在観測されている銀河などの天体が形成されたと考えられています。つまり、ほんのわずか周りよりも密度の高かったところに重力で物質が引き寄せられ、天体が形成されたのです。実際2.7度の宇宙背景輻射の観測から、宇宙がまだ1/1000の大きさだった頃、比にして10-5程度の揺らぎが存在したことが明らかになっています。

軽元素のガスが重力収縮して誕生した初代の星がどのようなものであったかはまだよくわかっていませんが、水素やヘリウムの核燃焼(核融合反応)によって、より重い元素が合成され、さらに超新星爆発などによってそれらの重元素がまわりのガスの中にまき散らされたと思われます。現在の太陽は、約50億年前それらの重元素を含んだガスから生まれたものです。

ビッグバン 以来約137億年経った現在、我々が観測できている天体はクエーサーなどの活動銀河核、銀河団、銀河、ガス雲、星団、星などで、最も遠いものは時刻数億年時のクエーサーです。





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