STF ILC向SRF技術開発

Phase 2 開発 (2013 - )

ILC主リニアックの1基本構成ユニットをILCの仕様で製作し、組立、試験を行い、 最終的にビーム加速試験を行って、技術実証を行うのがSTF Phase2計画です。 「量子ビーム技術開発」で製作された前段加速器を入射器とし、そこからの 40MeVのエネルギーのILC仕様の強度を持つ電子ビームを利用します。 今の所、超伝導加速空洞8台と超伝導4極電磁石1台を内包する クライオモジュールCM-1と、超伝導加速空洞4台を内包する5m長 のクライオモジュールCM-2aが設置されていて、今後、CM-2b、 CM-3a、CM-3bと3台の5m長のクライオモジュール3台 (超伝導加速空洞24台)の設置が計画されています。 これらの加速空洞は、1台の10MW出力の マルチビームクライストロンおよび クライストロン電源(マルクス変調器) そしてデジタルフィードバック制御 システムにより加速場が 生成されます。









クライオモジュールCM-1とCM-2aに内包されている超伝導加速空洞12台の平均加 速勾配は、試験を行った結果30.3MV/mであった。




クライオモジュールCM-1には、米国Fermi研究所で開発された伝導冷却型超伝導 4極電磁石が組み込まれています。また、各超伝導加速空洞にRFパワーを分配する ための導波管システムは、ILC設計に準じたものになっています。12m長のクライオモ ジュールは、長いために地上設備では組み立てることができなく、地上設備のク リーンルームでは4空洞の連結が行われ、それらが地下トンネルに運び込まれて から、地下トンネルで8空洞の連結が行われ、12m長のクライオモジュールへ装着 されました。


CM-1真中に装着された超伝導4極電磁石




導波管システム