クライオモジュール試験設備


  クライオモジュールは、ニオブ製空洞を超伝導状態で運転するため、空洞の外側をジャケットで覆い絶対温度2度 の液体ヘリウムを満たしたものを断熱保持します。ジャケット内で気化するヘリウムガスはガスリータンパイプを 経由してヘリウム冷却装置に還流していきます。頑丈なガスリターンパイプは超伝導加速空洞ユニットを吊り下げていて、 それらの位置保持も兼ねています。超伝導加速空洞は絶対温度5度と80度に保たれる2重の断熱シールドで囲まれ、 その全体は12mの長さの円筒状真空容器に納められています。それら一体となったものをクライオモジュールと呼びます。 それぞれの空洞にはクライオモジュール外側からRF電力を供給する入力カップラーが接続されています。  クライオモジュールの性能試験をする場所が、STF地下トンネルになります。クライオモジュールは地下トンネルに 設置され、液体ヘリウムで冷却され、各種の試験を行います。その後、そのままSTF加速器に組み込まれて、ビーム加速 の試験に使用されます。



 

クライオモジュール端部の配管組立中   |  クライオモジュールを冷却し、ローパワー性能試験をしているところ

 

クライオモジュール内部の様子