フォトカソードRF電子銃


 STF加速器では、電子ビームの生成をフォトカソードRF電子銃により行なっています。フォトカソードは、 セシウムとテルルをモリブデンカソードに数nmの厚さに蒸着して成膜されます。このモリブデンカソードは、 RF空洞の中に後ろ側から挿入され、それをパルスUVレーザーで前面から照射してやると、その照射時間に 応じた長さの電子ビームが生成されます。RF空洞には、4MW,1ms長のパルスRFが投入され、内部に高い 電子ビーム引き出し電界を作り出します。生成された電子ビームは、空洞内部で直接加速され、すぐに 4MeV程度の高いエネルギーと低いエミッタンスをもつ高品質なビームとなります。  STF加速器の電子ビームは、1ms幅のトレイン中に、 5mm程度の長さのバンチと呼ばれる電子の塊 が2400個詰まっています。この電子ビームの電流強度はちょうどリニアコライダーで加速される電子ビームの 強度に匹敵しますので、リニアコライダーにおける電子ビーム加速の研究に最適です。


 

    RF電子銃(ビーム出力側)           RF電子銃(フォトカソード挿入側)