超伝導空洞 内面検査・内面研磨設備

   超伝導加速空洞の内面にゴミ、チリなど、RFを印可したときの発熱体があると、その発熱により超伝導状態が破れ クエンチしてしまたり、多量の電界電子放出をしたりしてしまいます。また、その表面に急峻な凹凸があるとRFを 印可した時の磁場や電場が強調され、臨界磁場を超えてクエンチしたり、強調された電場により電界放出電子を 出してしまい、高電界が阻害されます。超伝導空洞の内面を詳細に検査する事が非常に重要です。  京都大学と共同で開発した内面検査カメラは高分解能で表面を拡大観察できるだけでなく、特殊な照明方法により 鏡面表面のわずかな凸凹でも捕らえる事ができるようになっており、さらに凸凹が鏡面であれば反射角度の測定から 凸凹面の出っ張り度あるいはへこみ度を測定できます。また、表面のレプリカを作ることで高分解能顕微鏡により 凹凸の精密な計測も可能となっています。  現在までにドイツ、アメリカ、日本などの17台以上の超伝導空洞を測定し、電界性能が出ない原因を特定あるいは 推定できています。また、電界性能を損なった原因である空洞内面の微小な凹凸欠陥を高度になめらかに修正する 内面局所研磨器により電界性能を回復できています。


 

 (左)内面検査カメラ              (右) 内面局所研磨器