電解研磨設備
超伝導加速空洞が製造された後、その内面が鏡面となるように電解研磨装置により研磨します。 内表面に数10μm以上の凸凹があると、高電界電場をかけた時に表面電場の強い場所にある凸部から 電界放出電子を放出して加速電界を弱めてしまいます。 また、表面磁場の強い場所にある凸部では 磁場強度が強く増大されてしまい、ニオブ材の持つ臨界磁場を超えて超伝導状態が破れてしまう、 いわゆるクェンチが発生します。高電界を得るためには数μm以下の凹凸となるようにする研磨が必要であり、 かつ研磨中にゴミ・チリを持ち込まない様にし、かつ研磨後は表面に不純物が残らないように清浄化する事 が重要です。 電解研磨では硫酸とフッ酸の混合液(電解液)を空洞内部に導入し、中心に差し込んだ電極と空洞内面 とのあいだに通電します。そして均一に仕上げるために空洞を回転させます。研磨後は超純水洗浄を行ない、 後処理液で内面をさらに洗浄し、超音波洗浄、超純水高圧洗浄を行なって、空洞内面を清浄化します。 清浄化された空洞は、直接クリーンルームに運び入れられ、乾燥・ベーキングされます。