大電力RF設備 デジタルLLRF設備
超伝導空洞に加速電場を生成するためのRF電力は、マルチビームクライストロンとそれを駆動するクライストロン電源 から作られます。クライストロン電源は10kV, 1560A, 1.5msのパルス電圧を生成します。そのパルス電圧は パルストランスで120kV, 130Aに昇圧されマルチビームクライストロンにかけられます。マルチビームクライストロンでは、 100W程度の小電力RF(マイクロ波)が第一変調空洞に入力され、空洞を通過する電子ビームに速度変調がかけられます。 引き続く変調空洞によるよりいっそうの速度変調の結果、出力空洞では疎密の大きな電子ビームとなり出力空洞に 10MWという大電力RFが作り出されます。その大電力RFは導波管分配システムによりクライオモジュール内の各空洞に 導入されます。マルチビームクライストロンの特徴はクライストロンのなかの電子ビームが6つに分離され、それぞれの ビームによってRF増幅を行なっています。この方式により印可電圧を低くでき高いRF出力を効率良く得る事ができます。 超伝導空洞はQ値が高いために、加速器内で運転するためには高精度なフィードバックシステムが必要となります。 デジタル制御システムは、高速制御と高いフレキシビリティを可能とする高性能なシステムです。STFでは、高速のアナログ デジタル変換器やFPGA、高速なデジタルアナログ変換器を活用したシステムを開発しています。
1.3GHz 10MWマルチビームクライストロン デジタル制御ボード