放射線科学センター助教の李恩智氏が2022年度核データ研究会優秀ポスター発表賞を受賞

 2022年11月18日、放射線科学センター助教の李恩智氏が2022年度核データ研究会で優秀ポスター発表賞を受賞しました。授賞対象となった発表題目は “Cross comparison on neutron spectra with Liquid scintillator and Bonner Sphere Spectrometry” です。

この研究では、欧州原子核研究機構 (CERN) の高エネルギー加速器混合粒子場(CHARM) 施設での遮蔽内外での中性子挙動を調べるために、24 GeV陽子を銅ターゲットに照射し、生成された中性子が鉄とコンクリートからなる遮蔽体を透過した後のエネルギースペクトルを測定しました。この研究では、同一の遮蔽条件のもとで異なる測定法による結果の比較を行いました。

高エネルギー中性子の測定には、有機液体シンチレーション検出器及び金属入りボナーボール型検出器がよく使われています。これらの中性子検出器を遮蔽体の上部に設置し、測定した中性子量をもとに単色中性子の応答を用いて中性子エネルギースペクトルを導出する方法(アンフォールディング法)を用いました。導出した中性子エネルギースペクトルの結果を相互比較し、測定法の妥当性を検証しました。異なる測定法による相互比較と、ここから得られる情報について整理したことが高く評価され今回の受賞となりました。