放射線科学センター吉田剛助教らが第55回(2022年度)日本原子力学会論文賞を受賞

放射線科学センター吉田剛 助教、松村宏 教授、桝本和義 研究員らが著者として執筆しJournal of Nuclear Science and Technology 59巻 543-554ページ に掲載された論文 ”Investigation into activation of accelerators at various synchrotron radiation facilities in Japan” が第55回(2022年度)日本原子力学会論文賞を受賞しました。

受賞論文では、廃止措置関するガイドラインが未整備の高エネルギー加速器施設のうち、国内の5つの放射光施設(SPring-8, PF, UVSOR, HiSORおよびSR Center)を対象とした大規模な放射化の実地調査の結果について報告しています。施設の中でも物量の大きなビームラインを構成する金属(ビームパイプ、電磁石など)と建物を構成するコンクリートを対象に各種γ線検出器や環境用中性子線量計などを用いて放射性核種の生成量を見積もり、コンクリートでは、放射化のおそれが全く無いことを明らかにしました。金属についてもいずれの施設において大部分は放射化しておらず、放射化はごく一部に限定されていました。受賞者らによるこれら一連の研究は,原子力規制委員会の下、加速器施設に対するクリアランス制度運用のための研究プロジェクトの一部として実施されたものであり、今後の加速器施設の廃止措置の規制へ生かされることが期待されます。

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