第七回粒子物理コンピューティングサマースクールを開催しました

2024年7月29日から8月2日の5日間で、粒子物理コンピューティング懇談会主催によるコンピューティングサマースクールを開催しました。粒子物理コンピューティング懇談会は、素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理分野のコンピューター利用技術に関するコミュニティで、大学院生を対象にした本サマースクールはその活動の柱となっています。2017年から開始した本サマースクールは、今年で7回目の開催となりました。

今年もKEKつくばキャンパスを会場とし、全国の16大学から40人の学生が参加しました。KEK計算科学センターからも7人が講師として参加しました。講習内容は、素粒子物理分野で広く使われているデータ解析ソフトウェア・ライブラリーである「ROOT」、プログラミング言語、深層学習、量子コンピューティングといった幅広い内容となりました。
特にROOTを使った統計解析は、本分野で物理結果を得るためには重要な解析ステップです。従って、今年はこのROOTの講習時間を増やしてより丁寧な解説を行いました。講習に必要な計算機環境はmdx(下記HP参照)と呼ばれる学術用クラウドサーバーに構築しました。参加者には、本サマースクールの期間中に自分で実習テーマを決めて取り組んでもらい、最終日には成果発表会を行いました。短い実習時間にも関わらず、工夫が感じられる発表が多くありました。特に目を引いたのは、HTCondorというソフトウェアを使ったコンピュータークラスターの構築に関する発表で、コンピューターの効率的な利用という本スクールの目的に沿った素晴らしいものに感じました。

参加者の集合写真
講習中の様子

なお、本サマースクールは東京大学素粒子物理国際研究センターと高エネルギー加速器研究機構による令和6年度KEK加速器科学国際育成事業からサポートを受けて開催されました。