10月28日(金)〜11月6日(日)、東京ミッドタウン(東京都港区)のコートヤードで、建築家の長坂常氏のインスタレーション作品「0/30km 大きさ0を求めて」を展示する「Salone in Roppongi(サローネ・イン・ロッポンギ)」が「東京ミッドタウン・デザインタッチ」の一環として開催されました。(主催:Salone in Roppongi実行委員会、協賛:リニアコライダー・コラボレーション、シチズン時計株式会社、協力:先端加速器科学技術推進協議会)
「Salone in Roppongi」は、2013年から始まった世界で高く評価されている日本のデザインを六本木で体験してもらう催しです。今年はともすれば難解なイメージになりがちなILCプロジェクトのスケール感と壮大な研究テーマをデザインの力でより多くの人に広げるという趣旨で企画されました。
東京ミッドタウンの広場に出現したILCの2000分の1に当たる、全長15メートル山脈型巨大模型は「版築」という古代建築の手法を用い、最初の3日間で製作されました。構築に携わったのは主に長坂氏の声掛けに応じた美術や建築を専攻している大学生たち、延べ300人。構築過程の公開もまた出展企画の一つでした。構築後も製作に携わった大学生たちは引き続きILCの模型の意味するところを、ILCの研究者と共になって通りかかる見学者に精力的に説明をしました。模型の中央部には電子と陽電子が衝突して生じるヒッグス粒子やトップクォーク、ダークマターなどの素粒子反応が、リオ五輪閉会式の「Tokyo Show」も手がけたライゾマティクス社により表現され、多くの方々が素粒子の反応を覗き窓から鑑賞しました。「お山の中に宇宙がある!!」と歓声をあげるお子さんもいました。
期間中の土曜日と日曜日には見学に来てくださったお子さんを対象に、ILCを解説する人形紙芝居の上演も行い、全日程10日間で5万人の方に模型を見ていただくことができました。模型の横に立てた、KEKにあるILC用のクライオモジュールの写真ポスターにも、それ以上は書き込めないほどの多くの応援メッセージをいただきました。