米国Snowmass会議 再始動

ILC ニュースライン

※この記事は2021年11月26日に発行されたILC NewsLineの翻訳記事です。

米国の素粒子物理の将来研究計画を検討するSnowmassとそれに続く米国エネルギー省の諮問委員会でのP5のプロセスが再始動しました。まだ参加していない人は、ぜひSnowmassのワーキンググループ会合に参加し、2022年の「Community Summer Study」の日程をスケジュールして、知識を深め、自分の意見を伝えましょう。SnowmassとP5(Particle Physics Project Prioritization Panelの略)は、非常に重要です。P5 委員会が米国の ILC 参加に強く前向きな発言をすることが不可欠です。

Snowmass主催者は、世界中の素粒子物理コミュニティにSnowmass/P5の計画プロセスへの参加と情報提供を呼びかけています。彼らは素粒子物理がグローバルであり、協働して進める分野であることを認識しています。米国の資金調達機関はこの重要なプロセスに世界のコミュニティが貢献することを奨励しています。

Snowmass/P5 について

Snowmass/P5プロセスは素粒子物理コミュニティと米国資金調達機関、米国エネルギー省(DOE)、全米科学財団(NSF)が米国素粒子物理の将来戦略策定のために用いる、2段階のプロセスです。今後10~12年の将来戦略を決めるこのプロセスは2020年にスタートしましたが、コロナ感染拡大により中断しました。数か月の中断後、作業は中断したところから再開されつつあります。各ワーキンググループはオンラインで会議を再スタートしています。すべてのフロンティアと参加者が共通認識のもと、Snowmassの活動に再び焦点を合わせるために、「Snowmass Day」という全体会合が9月24日に開催されました(https://indico.fnal.gov/event/50538/)。

Snowmassは計画プロセスの最初のステップです。これは、アメリカ物理学会の(APS)素粒子・量子場部門(DPF)が主催し、APS物理・ビーム部門(DPB)、APS天体物理部門(DAP)、さらに核物理部門(DNP)、重力物理部門(DGRAV)が参加して、コミュニティ主導で科学の可能性を探求するものです。1982年にコロラド州スノーマスで開催された数週間の夏の研究会シリーズにちなんで名付けられたSnowmassは、現在、1年以上の長期にわたって開催される一連の全体会議とワーキンググループで構成されています。そして、その集大成として、科学的、技術的、社会的な広がりを持つ「Snowmass Community Summer Study」が開催されます。2022年の「Snowmass Community Summer Study」は、7月17日から22日まで、ワシントン大学で開催される予定です。(https://snowmass21.org/)

IDT国際推進チームアメリカ州代表/カルフォルニア大学アーバイン校名誉教授 アンディ・ランクフォード 

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