※KEK・次世代育成クラウドファンディングのブログに掲載された記事を紹介します。
KEKのクラウドファンディングも、残すところあと1日となりました。あと少しでNEXT GOAL達成できます!皆様のご支援深く感謝いたします。
おかげさまでNEXT GOALも達成いたしました!!皆様からいただいたご支援、応援メッセージの数々、本当に勇気づけられました。感謝しかありません。ラストスパートになります。最後までよろしくお願いします!
数字にまつわる最後のブログは「ゼロ」のお話です。
身の回りの物質は「質量」を持っています。質量は「重さ」ではありますが、重力で引っ張られて生じる重量と異なり、場所が変わっても変化しません。宇宙飛行士が宇宙ステーションの中でぷかぷか浮いている映像を見たことがあると思います。ぷかぷか浮いているけれど、宇宙飛行士の重さ(質量)がなくなったわけではありませんよね?
ものに重さがあるのは当たり前のようにも思えますが、実はとても不思議なこと。それぞれの素粒子は固有の質量を持っていますが、これはヒッグス粒子によって与えられたもの、と考えられています。その中で、質量ゼロの素粒子があります。それは「光子」。光の粒子です。
光子は、質量ゼロ、電荷をもたず、スピン(自転)の値が1という粒子です。質量がゼロなので、光は真空中を常に光速(秒速30万キロメートル)で飛び回っています。光の速度は真空中では常に一定で、どこで計測しても、誰が計測しても、すごいスピードで動きながら計測しても、変わることはありません。そして、宇宙で最もスピードが速いのが光で、光の速さを追い越すことができるものはありません。このことを発見したのはアインシュタインです。
光の速さを測る研究は、カリレオ・ガリレイの時代まで遡ります。ガリレオは、地上の2点間を光が通過する時間を測りました。この測定で光の速さは「ものすごく速い」ことはわかったのですが、数値まではわかりませんでした。1676年、デンマークの天文学者レーマーが、木星の衛星の食周期の変化を観測して、初めて光速を数値として算出しました。その後も、光の速さを正確に測る測定が世界各地で行われました。
光の速さは、真空中ではいつでも一定なことから、1983年には、長さの単位を時間のと光速度から決めることになりました。「1メートル」は、光が真空中を2億9979万2458分の1秒の間に進む距離なんですよ!(イメージ湧きにくいですよね、、、)
ものが質量を持つ仕組みは、まだまだ謎に包まれています。2012年に発見されたばかりのヒッグス粒子を詳しく調べることで、質量の謎に迫ることができると考えられています。
「楽しく基礎科学を学ぶプログラムを提供し、次世代を育成したい」
このプロジェクトは目標金額を達成し、無事成立しました。皆さまの温かいご支援、応援を、誠にありがとうございました。