PF

2025PF-S002: 広エネルギーX 線帯域を活用した統合的多元分析環境の開発

実験責任者:⼤東 琢治 准教授(測定装置部門)

BL-12A は、二つのパスにそれぞれ回折格子分光器と2結晶分光器を備えており、それらのパスはひとつの集光点に対して光軸を共有することで、高いフォトンフラックスで 50~5,000 eV の広エネルギー帯域を利用可能であることが特徴のビームラインである。そのため、例えば金属酸化物を金属元素と軽元素の両面から測定したり、Si、S、P 等の元素は K、L 吸収端の両方で測定することにより、バルクと表面を切り離した測定が可能であるなど、従来のビームラインでは不可能であったアプローチの化学状態分析が可能である。

当課題では、次世代光源計画の柱の一つである Energy Switchable 光源利用に向けて、広いエネルギー帯域利用を活用した利用研究を推進することを目的とする。これを利用して、結像型透過軟 X 線顕微鏡 (TXM) と新規 XAFS システム (XAFS) を開発することで、顕微(100 nm〜: TXM)からバルク(〜mm: XAFS)スケールの試料サイズに対応し、K、L、M 吸収端を利用することで多数の元素を対象として、時間、空間、表面近傍/バルク、温度、湿度など、多様なパラメーターへのアプローチが可能な研究を行うためのシステムを構築する。これにより、PF においてこれまで完全に空白となっていた領域の研究分野の開拓を推進する。そしてこの計画遂行の前提として、ビームラインの R&D によって整備、高度化を図ることが鍵となる。

氏名 所属
⼤東 琢治 物構研・准教授
山下 翔平 物構研・助教
若林 大佑 物構研・助教
田中 宏和 物構研・技師
片岡 龍馬 物構研・準技師
仁谷 浩明 物構研・技師
小澤 健一 物構研・教授
西村 龍太郎 物構研・特別助教
丹羽 尉博 物構研・助教
鈴木 芳生 物構研・協力研究員
青木 貞雄 筑波大・名誉教授
渡辺 紀生 筑波大・講師
実施年度 2025
使用ビームライン BL-12A


Last updated: 2025-8-20