ドイツの素粒子物理コミュニティ、ILCを強力にサポート

ILC ニュースライン

ヨーロッパの粒子物理学戦略の最新版が採択されたのは、つい昨日のことのように思うかもしれない。しかし、もう2018-19版の新計画の準備が始まっている。ドイツは、将来の電子・陽電子・コライダーに関するワークショップからのその最初の結論を最近公表した。それはILC を強く支持するものである。

ドイツの素粒子物理学者のコミュニティを代表するのは、素粒子物理学委員会 (KET:Komitee für Elementarteilchenphysik)である。5月前半にミュンヘンで実施されたKETワークショップで、ドイツの高エネルギー物理学コミュニティーの戦略をコンセンサスに基づいて形成するため、現在提案されている電子・陽電子コライダーの現状確認とそのオプションについて議論が行われた。以下が、その結論である:

  1. Zボソンの質量領域(訳注:91GeV)からTeV領域までのエネルギーをカバーする将来の電子・陽電子コライダーの物理学の意義は非常に大きく、そのような加速器のタイムリーな建設および運用を正当化する(事実、必要とされている)ものである。
  2. ILCは、このワークショップで議論された必要条件をすべて満たす。ILCは、現時点で技術的に成熟した唯一のプロジェクトである。したがって、国際コミュニティによって提案され、日本でホストすることが議論されているこのプロジェクトは、緊急に実現されるべきである。このワークショップの結論として、このプロジェクトは、参加者の最も強いサポートを受けている。
  3. 陽子・陽子将来形円形加速器(FCC-hh)の初期段階として考えられている電子・陽電子将来形円形加速器(FCC-ee)およびCEPCはe+e-物理学の低エネルギー部分をカバーすることが可能で、ILCの補完的なプロジェクトである。
  4. CLICにはILCよりはるかに高いエネルギーに達する可能性がある。CLICの研究開発は、今後のLHC実験の結果に基づき、また2019/2020の欧州戦略のコンテクストにおいて、セルンの将来プロジェクトに関する決定が下されるまで継続されるべきである。 詳細はKETウェブサイトへ

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