ILCの超伝導RF加速空洞 イラスト:Rey. Hori
ILCは最先端技術を駆使した多くの要素から構成されます。その心臓部となるのが「超伝導RF加速空洞」です。レアメタルであるニオブで作られており、マイナス270度Cくらいまで冷却すると超伝導状態になり電気抵抗がゼロになります。そのため、電力損失や加熱が起こらず、エネルギーを無駄にせずに効率よく加速できるのです。
9つの楕円状のセルが連なる蛇腹のような形状の加速空洞の中に、マイクロ波を送り込んで電場をつくります。ここにタイミングを合わせて電子や陽電子を入射すると、サーファーが波に乗るように電場の中を通過し、セルを通過するごとにどんどん加速されるのです。ILC実験では電子や陽電子は、光速の99.999999999%まで加速されます。