みなさん こんにちは!
私は高エネルギー加速器機構の石橋延幸です。
私が科学者になるきっかけは、小学校の頃友人から誕生日のプレゼントにもらった一冊の本です。
その本は別に真面目な科学の本ではなかったのですが、非常に速いロケット、光と同じ位速いロケットの中では時間 が遅く進むとかいろいろ不思議なことが書いてありました。しかもそれらが現代の物理学で確かめられている事実だ というので本当に驚いて、興奮して友人に話したのを憶えています。小学校も高学年になると、ある程度常識という ものがわかってきて、世の中にそんなに不思議なものはないと思いはじめている頃ですから、ロケットに乗って宇宙 を旅してくると年をとらないなんていう不思議な事を研究する物理という学問があるということは私にとって大きな 衝撃でした。この時の驚きは今の私の研究の原点です。
今、私が研究しているのは素粒子理論という分野です。これは、物質は何から出来ているのかということを理論的に 考える学問です。物質を構成する最小単位である粒子を素粒子と言います。今私が研究しているのは superstring 理論という理論です。今まで、素粒子というのは大きさのない点のようなものであるとして理論を作ってきましたが、 この理論は、素粒子は長さのあるひものようなものであるという理論です。この理論はまだ確かめられていない仮説 のようなものですが、私が小学校の頃に感じた驚きや不思議さに満ちています。私の夢はこの理論は単なる仮説でなく、 現実であるということを示すということです。
科学者を目指している若い方々に言いたいのは、科学というのは非常に不思議なものである。だから不思議だなと思 う心を大切にしてほしいということです。

感動の瞬間
研究していて一番感動するのは、こうやればうまくいくのではないかと思いついたときです。
こういうことは大体、寝床の中でとか歩いているときやバスや電車に乗っている時に多いのですがあれこれいろいろな考えをいじくりまわしていると、突然展望が開けます。しかし、こういう時に思いついたアイディアのほとんどは、後で机に向ってよく考えてみたり、計算したりしてみるとうまくいかないことがわかって、論文になるのはそういう思いつきの何十分の一位です。そして、その論文が認められるのもそのうち何十分の一かもしれません。しかし、私が、研究をしていて最も楽しいのは、何かしらのアイディアが浮かんだ瞬間です。

現在目指していること
私が、研究している分野は素粒子理論という分野です。
これは、物質をどんどん細かく分けていったときに最後に到達する物質の基本単位である素粒子を理論的に考える学問です。現在私が研究しているのは超弦理論という理論です。今までは素粒子という粒子は大きさのない点であると考えて理論が作られてきましたが、この理論 は、素粒子は実は長さのあるひものようなものであるとする理論です。
これはまだ確かめられていない仮説にすぎませんが、私が小学校の頃に経験したのと同じような不思議に満ちた理論です。 この理論が単なる仮説でなく、現実であることを示すというのが私の目指していることです。

科学者になるために必要なのは好奇心と情熱であると思います。
何かを不思議あるいは面白いと思い、それに情熱を注いでいくことが大切だと思います。





素粒子原子核研究所 藤井 恵介博士
大強度陽子加速器計画推進部 永宮 正治部長
素粒子原子核研究所 石橋 延幸博士
物質構造科学研究所 新井 正敏博士
物質構造科学研究所 五十嵐 教之博士
物質構造科学研究所 林 慶 さん
東京大学物性研究所 原沢 あゆみ さん
加速器研究施設 森 義治博士
高エネルギー加速器研究機構 菅原寛孝前機構長
江崎玲於奈博士
素粒子原子核研究所 山田作衛前所長
物質構造科学研究所 木村 嘉孝前所長

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