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3. 研究成果 3.4 光子・光子コライダーとして 3.4.3 2光子過程における共鳴状態の生成 ハドロンのうち、寿命が非常に短く(10-20秒程度以下)、主に「強い相互作用」で崩壊するものを「共鳴状態」と呼んでいる。粒子反応において共鳴状態が生成されるときに、特定のエネルギーで散乱振幅が急激に大きくなるので、素粒子と素粒子の一時的な束縛状態とみなされ、この名がついているが、粒子の分類上は、共鳴状態も陽子やパイ中間子と同じレベルの複合粒子(ハドロン)といえる。 2光子衝突でつくられる共鳴状態は電気的に中性なので、その全体が光子から直接に作られるのでなく、生成された構成要素すなわち素粒子間の相互作用で形成される。これらの共鳴状態は中間子の一種であり、ほとんどの場合、クォークと反クォークから構成されていると考えられるが、その生成確率(2光子崩壊幅と呼ばれる量に比例する)の測定により、クォークの種類(フレーバー)の構成比やその結合状態についての情報を得ることができる。また、クォーク・反クォーク以外でできている共鳴状態(たとえばグルーオンだけからなるグルーボールなど)も存在しうるが、研究している共鳴状態がこういうエキゾチックなものではないかということについても調べることができる。文字どおり、「複合粒子の内部に光をあてる」研究といえよう(図45)。 トリスタン実験では、今までに ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() また、2光子過程において、未発見の共鳴状態の探索を行うこともできる。共鳴状態の生成が確認できなかった場合でも、対応する終状態の生成断面積を測定することにより、強い相互作用に関連した様々な種類の理論の検証に関する研究が可能である。図47に、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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