[研究内容] 「研究施設」cERLおよび「研究内容」産業医療応用

エネルギー回収型線形加速器(Energy Recovery Linac: ERL)の小型実証機であるcERL(コンパクトERL)は、2013年から運転を開始し、現在はERL技術の産業応用を念頭に置いた超伝導加速器利用のための開発を行っています。cERLでは、500 kVの直流電子銃により生成された高輝度大電流ビームを超伝導空洞により加速します。一度加速した電子ビームのエネルギーを超伝導空洞に再度戻し、回収することで、次の新しいビームの加速に「再利用」できるのが本加速器の大きな特徴です。特に、加速空洞の高周波損失のない超伝導空洞を利用することで、2016年3月に1 mAもの大電流CW(Continuous Wave : 連続波)ビームの”100%”のエネルギー回収運転を実現し、リング型加速器では実現できない高輝度、大電流、短パルスの電子ビームを生成可能としています。

このようなcERLによる特徴的な大電流ビームを用いた応用はさまざまであり、大強度テラヘルツ光および中赤外自由電子レーザーによる産業応用や、民間企業および他研究機関と共同で核医学用検査薬の国内での製造、アスファルトの長寿命化、さらに木材からのナノセルロースの高効率生成などの基礎的な研究のための電子線照射実験も行っています。また、次世代半導体リソグラフィー用の10 kW級EUV(極紫外)FEL光源の設計も行っています。

関連するWebページ
超伝導利用推進チーム(cERL) https://www2.kek.jp/casa/cERL/ja/index.html
応用超伝導加速器イノベーションセンター https://www2.kek.jp/casa/ja/
超伝導空洞グループ https://www2.kek.jp/casa/srf/index.html
陽電子・ビームダンプ https://www2.kek.jp/casa/ja/
STF(超伝導リニアック試験施設棟) https://www2.kek.jp/stf/
ATF(先端加速器試験施設) https://atf.kek.jp/

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