[研究内容] 大強度陽子加速器のビーム強度の増強

J-PARC大強度陽子加速器のビーム強度を向上させる研究を行っています。

目的・ビジョン
J-PARCの大強度陽子加速器の特徴はそのビームの強さにあります。 現在、そのビーム強度は設計値を目指して着々と強くなっています。 その際の注意点はビームを取りこぼすことなく加速することです。 強度が非常に強いだけに、損失がその一部であったととしてもビームを大きく失うことになってしまうからです。

ビームを失いやすい場所は、ビームの受け渡し、及び最終的に実験するためにビームを加速器から取り出す場所です。 現在の研究目的はそうした場所でのビームの取り出し効率やビームを捕獲する効率の向上です。 取り出し、捕獲には直流の磁石だけでなく、パルス的に電磁場を発生する磁石が活躍します。 こうした磁石を中心とした総合システムについての研究が進行し、着実に強度を上げる開発が進行しています。

概要
J-PARC加速器は、線形加速器(負の電荷をもつ水素イオンを加速する)、速いサイクルで運転するシンクロトロン(RCSと呼ばれる)及び数秒間隔の遅いサイクルでパルス運転される主リングシンクロトロン(MRと呼ばれる)からできた複合加速器です。 線形加速器から順番にエネルギーをあげ、高い強度のビームを得るように設計されています。 線形加速器から取出されたビームはRCSで加速され、生命の科学、物質の科学の研究に用いられます。 またこのRCS のビームの一部は主リングに打ち込まれさらに打ち込まれ、原子核物理学や素粒子物理学の実験に使われます。

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