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第4回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

シンポジウム
2020年12月22日

 文化財をはじめとする人文科学資料研究への活用が期待される「負ミュオンを用いた新たな非破壊研究手法」の実用が、今、日本の研究グループによって精力的に推進されております。高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所では、茨城県東海村にあるJ-PARC MLFミュオン施設(MUSE)で世界最高強度のパルス負ミュオンビームを用いた分析が進められており、また、大阪大学核物理研究センター(RCNP)でも、連続負ミュオンビームによる非破壊分析が活発に実施されています。
 これまでも放射光や中性子などを用いて、様々な文化財科学の研究が行われておりますが、さらにミュオンも加えて、量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催します。全国の大学・博物館・研究所等の人文科学系の研究者と自然科学系の研究者とのネットワークの形成に向けて、新たな文理融合プラットフォームを構築する一助となる事を期待しています。
 2019年7月に第1回シンポジウム(@国立科学博物館)、同12月に第2回(@大阪大学中之島センター)が開催され、第3回シンポジウムは2020年9月にオンライン方式で開催致しました。
 このたび、第4回シンポジウムも、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、今後も状況を注視し、皆様の健康や安全面を第一とするため、オンライン方式とすることに致しました。今回は、以下の先生方の招待講演を予定しております。

▪「アップデートする炭素14年代法」坂本稔氏(国立歴史民俗博物館)
▪「放射光によるエジプトやメソポタミアのガラスの測定、放射光X線吸収差分法で絵画の透過X線イメージング」阿部善也氏(東京電機大学)
▪「負ミュオンによる丁銀の深さ方向分析」齋藤努氏(国立歴史民俗博物館)
▪「日本列島最古の文字とミュオン分析の展望」南健太郎氏(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター)
▪「負ミュオン寿命測定法による炭素濃度の測定結果」久保謙哉氏(国際基督教大学)

また、今回は、「Muon科学研究会」と連続する日程で合同での開催といたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

世話人代表:三宅康博、下村浩⼀郎 (KEK物構研)


  • 日時:2021年 1月 28日(木)13時30分~ 1月 29日(金)17時
  • 場所:オンライン開催。

    ※ オンライン開催に関する情報は、確定次第改めてお知らせします。

  • 主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
  • 共催:人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館、国立科学博物館
  • 協催:日本中間子科学会、J-PARCセンター、⼤阪⼤学核物理研究センター、SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)文化財研究会、
       新学術領域「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」
       異分野融合(大阪大学)「新学術・産業応用を目指した次世代ミューオン分析拠点の形成」

お申し込み

参加のお申込みは、電⼦メールでお願いいたします。
登録完了後、オンライン会議に関する情報をお送りします。

宛先:bunri_yugo@ml.post.kek.jp

件名:第4回文理融合シンポジウム申し込み
メール本文:以下の項目をご記載ください。

  • 1)氏名
  • 2)所属 (例:○○大学、○○研究所、○○博物館など)
  • 3)職名 (例:助手、研究員、教授など)
  • 4)連絡先メールアドレス

個人情報の取り扱いについて
  • 収集した個人情報は、当シンポジウムでのみ使用することとし、期間中は適正に管理します。
  • シンポジウム終了後は、速やかに関連データを消去します。
  • 個人情報の取り扱いについては、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構のプライバシーポリシーに準拠します。
    KEK 個人情報保護

プログラム

【 今般のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の状況を鑑み、オンライン開催といたします 】

                             
1月28日(木)13:30~
開始 - 終了時刻
【講演時間:質疑含む】
タイトル 講演者
13:30-13:45 挨拶 小杉 信博(KEK物質構造科学研究所)
 座長:下村 浩一郎 
13:45-14:15 J-PARCにおけるミュオン非破壊分析 三宅 康博(KEK物質構造科学研究所)
14:15-14:40 理研RALでの非破壊元素分析 石田勝彦(理化学研究所)
14:40-15:10 連続ミューオンによるミューオン非破壊分析の進展 佐藤 朗(大阪大学)
15:10-15:20 休 憩
 座長:河村 成肇 
15:20- 15:50 負ミュオンX線新型分析システムの構築 反保 元伸(KEK物質構造科学研究所)
15:50- 16:20 多素子Ge検出器用データ収集システム 竹下 聡史(KEK物質構造科学研究所)
16:20- 16:50 走査ミュオン顕微鏡の生物・考古学および産業への展開 永谷 幸則(KEK物質構造科学研究所)
  
1月29日(金)10:00~
開始 - 終了時刻
【講演時間:質疑含む】
タイトル 講演者
 座長:齋藤 努 
10:00- 10:30 超伝導TES検出器による電子特性X線の高分解能分光測定で明らかになったミュオン原子脱励起ダイナミクス 東 俊行(理化学研究所)
10:30- 11:00 負ミュオン寿命法による鉄中微量炭素の定量分析 久保 謙哉(国際基督教大学)
11:00- 11:30 日本列島最古の文字とミュオン分析の展望 南 健太郎(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター)
11:30- 13:00 昼 食
 座長:沓名 貴彦 
13:00- 14:00 アップデートする炭素14年代法 坂本 稔(国立歴史民俗博物館)
14:00- 15:00 放射光による文化財の非破壊分析事例~蛍光X線分析法による古代ガラスの起源推定とX線吸収端差分法による絵画の元素イメージング~ 阿部 善也(東京電機大学)
15:00- 15:10 休 憩
 座長:久保 謙哉 
15:10- 15:40 負ミュオンによる丁銀の深さ方向分析 齋藤 努(国立歴史民俗博物館)
15:40- 16:10 負ミュオン非破壊分析による金製品の表面処理の検討 沓名 貴彦(国立科学博物館)

 

お問い合わせ

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 三宅康博

E-mail: bunri_yugo@ml.post.kek.jp


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