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第5回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

シンポジウム
2021年8月 6日

 文化財をはじめとする人文科学資料研究への活用が期待される「負ミュオンを用いた新たな非破壊研究手法」の実用が、今、日本の研究グループによって精力的に推進されております。高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所では、茨城県東海村にあるJ-PARC MLFミュオン施設(MUSE)で世界最高強度のパルス負ミュオンビームを用いた分析が進められており、また、大阪大学核物理研究センター(RCNP)でも、連続負ミュオンビームによる非破壊分析が活発に実施されています。
 これまでも放射光や中性子などを用いて、様々な文化財科学の研究が行われておりますが、さらにミュオンも加えて、量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催します。全国の大学・博物館・研究所等の人文科学系の研究者と自然科学系の研究者とのネットワークの形成に向けて、新たな文理融合プラットフォームを構築する一助となる事を期待しています。
 これまで2019年7月に第1回シンポジウム(@国立科学博物館)、同12月に第2回(@大阪大学中之島センター)、2020年9月に第3回(オンライン開催)、2021年1月に第4回(オンライン開催)が実施され、活発な議論が交わされました。
 このたび第5回シンポジウムは、ハイブリッド方式(オンライン型と会場参加型の同時開催)を目指し、準備して参りましたが、今般のCOVID-19の状況を鑑み、皆様の健康や安全面を最優先とし、断腸の思いではございますが、会場開催を断念、オンライン開催のみとする世話人らの判断に至りました。
皆様のご参加をお待ちしております。

今回は、以下の先生方の招待講演を予定しております。

- 藤尾慎一郎氏(国立歴史民俗博物館) 「土器とDNA分析」
- 岡見 知紀氏 (橿原考古学研究所) 「出土遺物に付着した墨の分析」
- 鬼柳 善明氏 (名古屋大学) 「日本刀の金属工学的研究への中性子とミュオンの応用」
- 星野 真人氏 (高輝度光科学研究センター) 「放射光を用いた高エネルギーX線マイクロCTの現状と文化財試料等への応用」
   

世話人代表:三宅康博、下村浩⼀郎 (KEK物構研)


  • 日時:2021年 9月 9日(木)13時 ~ 9月 10日(金)17時
  • 場所:オンライン開催 国立科学博物館 日本館2階 講堂(ハイブリッド方式)
  • 主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
  • 共催:人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館、国立科学博物館
  • 協催:日本中間子科学会、J-PARCセンター、⼤阪⼤学核物理研究センター、
       新学術領域「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」
       異分野融合(大阪大学)「新学術・産業応用を目指した次世代ミューオン分析拠点の形成」
       SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)文化財研究会
  •  
  • 世話人(事務局):
    三宅康博(高エネルギー加速器研究機構)、下村浩一郎(高エネルギー加速器研究機構)、齋藤努(国立歴史民俗博物館)、沓名貴彦(国立科学博物館)、久保謙哉(国際基督教大学)

お申し込み

参加のお申込みは、電⼦メールでお願いいたします。
登録完了後、オンライン会議に関する情報をお送りします。

宛先:bunri_yugo@ml.post.kek.jp

件名:第5回文理融合シンポジウム申し込み
メール本文:以下の項目をご記載ください。

  • 1)氏名
  • 2)所属 (例:○○大学、○○研究所、○○博物館など)
  • 3)職名 (例:助手、研究員、教授など)
  • 4)連絡先メールアドレス

個人情報の取り扱いについて
  • 収集した個人情報は、当シンポジウムでのみ使用することとし、期間中は適正に管理します。
  • シンポジウム終了後は、速やかに関連データを消去します。
  • 個人情報の取り扱いについては、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構のプライバシーポリシーに準拠します。
    KEK 個人情報保護

プログラム

【 今般のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の状況を鑑み、オンライン開催のみといたしました 】

9月10日(木)13:00~
開始 - 終了時刻
【講演時間:質疑含む】
タイトル 講演者
 座長:三宅康博 
13:00-13:10 挨拶 岡田安弘(高エネルギー加速器研究機構 理事)
13:10-13:15 挨拶 小杉信博(KEK物質構造科学研究所 所長)
13:15-13:45 ミュオンで46億年前を探る~小惑星リュウグウの石の分析~ 二宮和彦(大阪大学)
 座長:齋藤 努 
13:45-14:15 J-PARCに於ける負ミュオン非破壊分析研究の現状 三宅康博(KEK物質構造科学研究所)
14:15-14:45 土器とDNA分析 藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館)
  記念撮影
14:45-15:00 休 憩
 座長:沓名貴彦 
15:00-15:30 出土遺物に付着した墨の分析 岡見知紀(橿原考古学研究所)
15:30-15:45 松江市田和山遺跡から出土した石製品に最古の文字か? 灘友佳(松江市役所まちづくり文化財課)
15:45-16:15 ミュオン非破壊分析による弥生時代墨書文字の検討 南健太郎(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター)/反保元伸(KEK物質構造科学研究所)
16:15-16:45 中世青銅製品と北宋銭 齋藤努(国立歴史民俗博物館)
  
9月10日(金)10:00~
開始 - 終了時刻
【講演時間:質疑含む】
タイトル 講演者
                  
 座長:久保謙哉 
10:00- 10:30 J-PARC MUSEにおけるX線分析装置開発について 反保元伸(KEK物質構造科学研究所)
10:30- 11:00 多素子検出器用データ収集システムの進捗 竹下聡史(KEK物質構造科学研究所)
11:00- 11:30 江戸文化の研究と自然科学分析
~「ウルトラマリンブルー」(考古)と「泥絵」(絵画)、2つの研究を中心に~
水本和美(東京藝術大学)
11:30-12:00 負ミュオン非破壊分析による金製品の表面処理の検討
〜観世音寺出土金製品について〜
沓名貴彦(国立科学博物館)
12:00- 13:30 昼 食
  記念撮影
 座長:竹下聡史 
13:30- 14:00 負ミュオンを用いた鉄中微量炭素の非破壊定量分析法の開発 久保謙哉(国際基督教大学)
14:00- 14:30 日本刀の金属工学的研究への中性子とミュオンの応用 鬼柳善明(北海道大学)
14:30- 15:00 放射光を用いた高エネルギーX線マイクロCTの現状と文化財試料等への応用 星野真人(高輝度光科学研究センター)
15:00- 15:20 挨拶 下村浩一郎(KEK物質構造科学研究所 主幹)

 

お問い合わせ

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 三宅康博

E-mail: bunri_yugo@ml.post.kek.jp


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