PF産業利用成果トピックス #14
高温KOH・NaOH 蒸気エッチングを用いたSiC 結晶貫通転位検出・分類技術のX線トポグラフィー検証及びSiC表面潜傷の評価
- PFでの研究期間
- 2014年4月-2014年12月
- 研究機関
- 一般財団法人ファインセラミックスセンター
- 主要な研究者
- 姚永昭、菅原義弘、石川由加里
- 使用ビームライン/手法
- BL-3C / X線トポグラフィー
研究の概要
斜入射X線トポグラフィーを用いて炭化ケイ素(4H-SiC)に内在する刃状転位、らせん転位、及び混合転位の密度、分布、およびバーガースベクトルを観察し、当センターで開発した高温KOH・NaOH蒸気エッチングによるエッチピットと比較した。その結果、KOH・NaOH蒸気エッチング法では全ての貫通転位を検出できること、更にらせん転位と混合転位とを判別できることがわかった。
PF活用のポイント
放射光の特性を生かした斜入射トポグラフィーを用いることによって高精度の欠陥解析が可能になり、転位の種類に関する情報を正確に得られたことで化学エッチング法の転位分類技術としての正確性を検証できた。
産業への貢献・製品への応用・経済波及効果など
広い面積の欠陥情報を迅速・低コストで観察可能になり結晶成長の最適化や低価格化、及びSiCデバイスの不良解析技術の開発に貢献できる。これによってSiCパワーデバイスの高品質化が加速されることが期待される。
論文・総説
論文:Yao Y. et al., Mater. Sci. Forum, 858 (2016) 389
国際会議:ICSCRM 2015、イタリア
研究者からの一言
PF産業利用は、放射光初心者の我々にとって、最先端の放射光施設を利用する大変貴重な機会であります。PF職員の方々に様々なサポートをいただき、研究をスムーズに進められました。放射光実験で得られたSiCの各種転位の分布は、その材料の欠陥評価技術の開発になくてはならない情報でした。