Yoshihide Watanabe, Yusaku F. Nishimura, Ryo Suzuki, Hiromitsu Uehara, Tomoyuki Nimura, Atsushi Beniya, Noritake Isomura, Kiyotaka Asakura and Satoru Takakusagi, “Portable ultrahigh-vacuum sample storage system for polarization-dependent total-reflection fluorescence x-ray absorption fine structure spectroscopy,” J. Vac. Sci. Technol. A 34 (2), 023201 (2016); doi: 10.1116/1.4936344 American Vacuum Society - American Institute of Physics
豊田中央研究所 渡邊佳英、西村友作、磯村典武、鈴木涼、紅谷篤史
株式会社エイブイシー 二村智之
北海道大学 高草木達、上原広充、朝倉清高
超高真空移送容器、試料ホルダを作製し、KEK放射光施設にて超高真空下偏光全反射蛍光XAFS測定を実施した。試料表面を清浄に保ったまま、試料測定に成功した。
豊田中央研究所(長久手市)で作製したサイズ選別クラスターをKEKまで超高真空下で運搬可能な超高真空試料移送システムを、豊田中研、北海道大学、エイブイシーの三者で共同開発した。これにより、酸化物単結晶上のPtクラスターが表面と相互作用し、どのような構造にあるかを、試料が変化することなく偏光全反射蛍光X線吸収微細構造分光法を用いて観察することが可能となった。また小型のため一つのスーツケースに収納し、さまざまな交通機関で手軽にサンプルを運搬できる。あわせて、試料はflag-styleプレートを挟み込む形のwobbleスティックおよび先端が鍵型のロッドの双方でアクセスできるように設計されているので、2つの異なるサンプル操作システムで試料を取り扱えるようになった。垂直配列設計を採用したことで直径を最小限に抑え、より小さなチャンバとなり、小型化を実現。コイルバネで支えられた90度の回転ロックを装備した「鍵と鍵穴」のサンプル操作システムは、柔軟な操作を可能にし、サンプルホルダを素早く簡単にリリースすることができる。このポータブル真空サンプルストレージシステムが、真空XAFS測定のための標準的なシステムとして広く使用され、世界のどの光源でも実験可能となることが期待される。
Vacuum Technology Division(VTD)Shop Note Award
「Journal of Vacuum Science & Technology」誌では Shop Note と呼ばれる真空科学・技術公開のための″how to do it″記事を発行されている。Shop Note には読者に簡単に追試できるような指示やアドバイスが与えられている必要がある。毎年、VTD では JVST A と JVST B から、最高のショップノートの1つ以上を表彰しており、Shop Note 賞小委員会はMartin Wüest (chair), Lily Wang, Robert Berg, Marcelo Ferreira, and Neil Peacock.のメンバーで構成されている。