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第7回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

シンポジウム
2022年10月 7日

 KEK物構研では、ユニークな特徴を有するJ-PARC MLF(MUSE)の世界最高強度の負ミュオンビームの優位性を生かし、文化財をはじめとする人文科学資料の研究にも活用する可能性を秘めた、新たな非破壊研究手法を開発してきました。その一方で、これまでも放射光や中性子などを用いた様々な文化財科学の研究が行われています。
 そこで、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催するに至りました。2019年度に、第1回文理融合シンポジウムが国立科学博物館、第2回が大阪大学中之島センターにおいて開催され、その後、第3回(2020年9月25〜26日)、第4回(2021年1月28日〜29日)、第5回(2021年9月9日〜10日)がオンライン開催されました。第6回(2022年1月7日〜8日)は大阪大学 豊中キャンパス 南部陽一郎ホールにて、ハイブリット方式(オンライン型と会場参加型の同時開催)で開催することができました。今回もミュオンのみならず中性子、放射光を用いた目覚ましい文理融合研究の成果や施設の各種性能向上などを、皆様で共有したいと思います。 第7回はKEK小林ホールでの開催を予定しております。
 皆様のご参加をお待ちしております。

 なお、11/3(木・祝)には、以下の先生方の一般講演を企画しております(詳細)。一般の参加者向けにオンライン配信いたしますが、シンポジウムにご参加いただく方は、会場でご講演をご聴講いただけます。

▪「非破壊分析とは?」小杉信博 所長(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所)
▪「医療文化財の最前線:「緒方洪庵の薬箱」が語る世界」髙橋京子 招へい教授(大阪大学)
▪「ミュオン非破壊分析で明らかになった小惑星リュウグウの成分」寺田健太郎 教授(大阪大学)
 ※ 小惑星探査機「はやぶさ2」が到着し、サンプルを回収した小惑星。昔話「浦島太郎」の竜宮城にちなんで命名された。


世話人代表:下村浩⼀郎 (KEK物構研)


  • 開催日:2022年 11月 2日(水) ~ 11月 3日(木・祝)
  • 開催地:高エネルギー加速器研究機構 つくばキャンパス 小林ホール(オンサイト開催) アクセス・利用案内
  • プログラム:第7回プログラム
  • 参加登録 :参加申込みフォーム
  • 参 加 費  :無料
  • お問い合わせ先:bunri_yugo@ml.post.kek.jp

  • 主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
  • 共催:人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館、国立科学博物館
  • 協催:J-PARCセンター、大阪大学 核物理研究センター(RCNP)、日本中間子科学会、 新学術領域学研究「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」、 大阪大学フォアフロント研究センター・先端ミューオン科学による文理協力型学術創出プロジェクト、 SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)文化財研究会

  • 世話人:代表 下村浩一郎(KEK)、三宅康博(KEK)、齋藤努(国立歴史民俗博物館)、沓名貴彦(国立科学博物館)、久保謙哉(国際基督教大学)、竹下聡史(KEK)、梅垣いづみ(KEK)、反保元伸(KEK)、雨宮健太(KEK)

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    プログラム

    11月 2日(水)13:00~
    講演時間
    【質疑含む】
    講演題名 講演者
     座長:竹下聡史 
    13:00-13:05 挨拶 幅淳二(高エネルギー加速器研究機構 理事)
    13:05-13:35 J-PARC MUSEにおける文理融合研究 三宅康博(KEK 物質構造科学研究所)
    13:35-14:05 KEKにおける文理融合の取組 内丸幸喜(高エネルギー加速器研究機構 理事)
    14:05-14:35 首里城跡の発掘調査成果からみた金属生産及び金工品製作 新垣力(沖縄県教育庁文化財課)
    14:35-15:05 首里城跡継世門北地区出土厭勝銭の非破壊深さ方向分析 沓名貴彦(国立科学博物館)
    15:05-15:35 漢代青銅器の成分組成 南健太郎(京都橘大学)
    15:35-15:50 休憩(集合写真)
     座長:雨宮健太 
    15:50-16:20 文化財における放射光X線の利用 ~古代ガラス製品を事例に~ 阿部善也(東京電機大学)
    16:20-16:50 中性子で見た刀剣鉄の相違 鬼柳善明(北海道大学)
    共著:及川健一(JAEA)、松本吉弘(CROSS)、渡辺賢一(九州大学)、佐藤博隆(北海道大学)
    16:50-17:20 鉄中微量炭素の非破壊的深度分布測定 ー日本刀への応用を目指してー 久保謙哉(国際基督教大学)
    17:20-17:50 ひたちなか市埋蔵文化財調査センターにおける考古学研究の現状と課題 稲田健一(ひたちなか市埋蔵文化財調査センター)
    17:50-17:55 まとめ 下村浩一郎(KEK 物質構造科学研究所)
     
    11月 3日(木)9:30~
    講演時間
    【質疑含む】
    講演題名 講演者
     座長:反保元伸 
    9:30- 9:45 大阪大学核物理研究センター(RCNP)の紹介 佐藤朗(大阪大学)
    9:45- 10:00 英国ラザフォードアップルトン研究所ミュオン施設の紹介 石田勝彦(理化学研究所)
    10:00- 10:15 大強度陽子加速器施設(J-PARC)・ミュオン科学実験施設(MUSE)の紹介 竹下聡史(KEK物質構造科学研究所)
    10:15- 10:30 休 憩
     座長:竹下聡史 
    10:30- 11:00 古墳時代におけるDNA分析の応用 清家章(岡山大学)
    11:00- 11:30 自然科学の眼で見た金属文化財 桐野文良(東京藝術大学)
    共著:小椋聡子(東京藝術大学)、根津暁充(株式会社リガク)
    11:30- 12:00 国立博物館における科学調査 鳥越俊行(東京国立博物館)
    12:00- 13:00 休 憩
     司会:入江敦子 
    13:00-13:05 挨拶 岡田安弘(高エネルギー加速器研究機構 理事)
    13:05- 13:25 非破壊分析とは? 小杉信博(KEK物質構造科学研究所 所長)
    13:25- 14:15 医療文化財の最前線:「緒方洪庵の薬箱」が語る世界 髙橋京子(大阪大学 総合学術博物館/適塾記念センター)
    14:15- 14:35 休 憩
    14:35- 15:25 ミュオン非破壊分析で明らかになった小惑星リュウグウの成分 寺田健太郎(大阪大学)
    15:25-15:45 休憩(集合写真)
     座長:梅垣いづみ 
    15:45- 15:50 挨拶 下村浩一郎(KEK物質構造科学研究所)
    15:50- 16:05 J-PARC負ミュオン元素分析装置の現状と今後について 反保元伸(KEK物質構造科学研究所)
    16:05- 16:20 ミュオン顕微イメージングの応用 永谷幸則(KEK物質構造科学研究所)
    16:20- 16:35 J-PARCミュオンH1エリアにおける負ミュオン利用の可能性 山崎高幸(KEK物質構造科学研究所)
    16:35- 16:50 文化財の分析を進めるために必要なこと 齋藤努(国立歴史民俗博物館)
    16:50- 17:00 今後の文理融合の進め方についての議論 下村浩一郎(KEK物質構造科学研究所)
     座長:齋藤努 
    17:00- 17:30 意見交換 (会場)
    17:30- 17:35 まとめ 久保謙哉(国際基督教大学)

     


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