PF

KEK放射光計画に係る状況について

PFからのお知らせ
2016年10月18日

高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所
放射光科学研究施設
施設長 村上洋一

日頃からPFの活動にご理解とご協力を賜り、誠に有難うございます。KEK放射光Conceptual Design Reportの作成に際しまして、短い時間の中で、多くのお忙しい先生方からのご協力を頂きましたこと、大変感謝しております。

さて、KEK放射光計画を巡る状況に変化がございましたのでご報告致します。去る9月24日に、石川放射光学会会長からの関係者への呼びかけで、次期放射光意見交換会が開催されました。翌25日には、意見交換会の参加者に対して、結論を9月27日までに提出するように求められました。

KEK放射光計画は、残念ながら、予算の観点での準備が十分に整っておらず、建設費について平成30年度予算への概算要求を行うのは困難な状況にあります。一方、SLiT-J計画におかれましては、その準備が整いつつあるとのご説明がありました。そこで、KEKとして、下記の結論を石川学会長にご連絡致しました。

  • 1.KEKは、我が国に3GeV級高輝度光源が存在しない状況を鑑み、SLiT-J建設に向けての平成30年度予算への概算要求に賛同し、SLiT-Jの実現に協力する。
  • 2.放射光学会の小委員会などでの議論により、PF、PF-ARの今後の在り方や、KEK放射光計画等を含む日本の放射光科学のグランドデザインを作る必要がある。ただし、この議論はSLiT-J計画の進捗を妨げるものであってはならない。
  • 3.KEKは、KEK放射光計画の検討を更に進め、その実現に向けて最大限の努力をする。

我々は、KEK放射光計画を皆様と共に創り進めております。上記の結論に至るまでに、本件について皆様と意見交換する機会が持てなかったことを大変申し訳なく存じます。また、現時点で平成30年度予算への概算要求が可能な状態にまで進められなかった責任を痛感しております。

今後もKEK放射光の実現とそれに至る間の現行施設の整備・安定運営を最優先とし、それらを確実に遂行することを前提とした上で、SLiT-J計画に対して可能な協力・連携をさせて頂きたいと考えております。

我々は、KEK放射光の実現に向けて最大限の努力を行い、必ずやこれを実現する所存です。山内KEK機構長からも、KEK放射光計画の検討スピードを落とすことなく、継続してR&Dを進めるようにとの指示を受けております。皆様におかれましても、引き続きご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げる次第です。

【本件に関する問い合わせ先】
物質構造科学研究所
放射光科学研究施設
KEK放射光事務局
Email:office-kekls★pfiqst.kek.jp
(★を@に変えてご利用ください)