PF、UVSOR、HiSOR の 3 施設は、放射光学術基盤ネットワークの中核的事業として、PFに開発研究多機能ビームラインを建設するための準備を進めてきた。2024 年度からは東大 ISSP-SOR もこのネットワークに参画し、より広く連携してビームライン建設や、将来を見越した放射光技術開発研究、サイエンス検討等を進めることになった。このビームラインは、柔軟性と安全性を格段に向上させることで、革新的なアイディアの試行の場、若手人材の成長の場として機能し、放射光科学の持続的発展に貢献する。また、遠隔・自動測定の機能強化、機器の長寿命・低コスト化など、全ての放射光施設に共通の重要課題の解決に貢献する。
KEK 研究実施計画 2022 において、PF の後継施設の候補となる Hybrid リングの実現に向けた開発研究が採択された。開発研究多機能ビームラインを早期に建設して、Hybridリングで展開される放射光 2 ビーム利用の技術実証を進め、サイエンスの成果を創出することが計画されている。2022 年度には PF 研究会が開催され、幅広い放射光研究分野から研究者が一堂に会して、様々な放射光 2 ビーム利用の研究展開が議論された。また、本ビームライン建設に伴い移設した新 BL-12A は、軟 X 線からテンダーX 線領域まで、広いエネルギー領域を同じ試料位置で利用できる新しいコンセプトの広波長域ビームラインとして生まれ変わり、広波長域利用や関連技術開発に幅広く活用される予定である。
本研究会では、前回の研究会で検討された放射光2ビーム利用サイエンスのさらなる深堀りと、新たに設置された広波長域利用ビームラインのサイエンス展開に主眼を置きつつ、これら2つの特徴的なビームラインの建設状況、実施する開発研究やビームラインの運用方法に関する議論を行う提案や議論を検討に反映させることで、開発研究多機能ビームラインや広波長域ビームラインにおいて、放射光 2 ビーム利用による画期的なサイエンスの成果の創出を可能にすることを目的とする。
日時:2024年11月17日(日),18日(月)
場所:KEKつくばキャンパス・小林ホール
提案者:近藤寛(PF-UA・会長)、解良聡(UVSOR・施設長)、島田賢也(HiSOR・所長)、原田慈久(ISSP-SOR・施設長)、五十嵐教之(PF・施設長)
世話人:若林大佑(PF)、田中宏和(PF)、宮内洋司(ACCL)、岩山洋士(UVSOR)、有田将司(HiSOR)、木内久雄(ISSP-SOR)
参加費:無料
お問い合わせ:研究会事務局(pf-kenkyukai[at]pfiqst.kek.jp ※[at]は@に変換)
※プログラム等、詳細については順次掲載していきます。