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3. 研究成果 3.3 標準理論を越える新しい現象の探索 3.3.2 磁気モノポールの探索 電荷には+と−があってそれぞれを取り出せるが、磁石のように磁極のN極とS極は単独では取り出すことができない。モノポールはディラックにより導入された粒子で、磁気単極子という名前のように磁石のN極またはS極だけの磁荷をもっている。電荷と同様に電磁相互作用をするが、電荷1の粒子に比較すると電荷量で数十倍と非常に大きい。電子・陽電子衝突で生成される粒子は殆どが電荷1である。それ以上のものは、ビームパイプや残留ガスにビーム電子等が衝突してでてくる原子核である。モノポールは数十の電荷量を持ち、物質中では電離による大きなエネルギー損失をする。SHIPではCR-39という特殊なプラスチック板を使ってモノポール探索をおこなった。これは電荷量の大きな粒子だけに感度があり、エッチング処理によって痕跡が現われる。約3年にわたる実験の結果、モノポールの痕跡となるものはなく、約30GeV以下には存在しないという結果が得られている。 |
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