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トリスタン計画報告書TOP
 高エネルギー物理学研究所長挨拶
 高エネルギー委員会委員長挨拶
 1. は じ め に
 2. トリスタン計画の概要
 3. 研 究 成 果
 概略
標準理論の精密検証とその予言する新しい現象の発見
標準理論を越える新しい現象の探索
 超対称性粒子の探索
磁気モノポールの探索
クォーク、レプトンの複合性
第2の Z 粒子(Z')
エネルギー精査実験
光子・光子コライダーとして
実験技術の開発
 4. トリスタンと加速器科学
 5. 周辺分野との関わり
 6. ま と め
 List of Figures
 List of Tables
 グラビア写真集
 
3. 研究成果

3.3 標準理論を越える新しい現象の探索

3.3.2 磁気モノポールの探索


電荷には+と−があってそれぞれを取り出せるが、磁石のように磁極のN極とS極は単独では取り出すことができない。モノポールはディラックにより導入された粒子で、磁気単極子という名前のように磁石のN極またはS極だけの磁荷をもっている。電荷と同様に電磁相互作用をするが、電荷1の粒子に比較すると電荷量で数十倍と非常に大きい。電子・陽電子衝突で生成される粒子は殆どが電荷1である。それ以上のものは、ビームパイプや残留ガスにビーム電子等が衝突してでてくる原子核である。モノポールは数十の電荷量を持ち、物質中では電離による大きなエネルギー損失をする。SHIPではCR-39という特殊なプラスチック板を使ってモノポール探索をおこなった。これは電荷量の大きな粒子だけに感度があり、エッチング処理によって痕跡が現われる。約3年にわたる実験の結果、モノポールの痕跡となるものはなく、約30GeV以下には存在しないという結果が得られている。


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