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第8回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

シンポジウム
2023年9月28日

  高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(物構研)では、ユニークな特徴を有する大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)にあるミュオン科学実験施設(MUSE)の世界最高強度の負ミュオンビームの優位性を生かし、文化財をはじめとする人文科学資料の研究にも活用できる可能性を秘めた、新たな非破壊研究手法を開発してきた一方、これまでも放射光や中性子などを用いて、様々な文化財科学の研究が行われています。
  そこで、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催するに至りました。2019年度に、第1回文理融合シンポジウムが国立科学博物館、第2回が大阪大学中之島センターにおいて開催され、その後、第3回(2020年9月25〜26日)、第4回(2021年1月28日〜29日)、第5回(2021年9月9日〜10日)がオンライン開催されました。第6回(2022年1月7日〜8日)は大阪大学 豊中キャンパス 南部陽一郎ホールにて、ハイブリット方式(オンライン型と会場参加型の同時開催)で開催してきました。前回(2022年11月2日〜3日)は高エネルギー加速器研究機構 小林ホールにて現地開催が実現しました。今回は第一回の会場でもあった国立科学博物館にて、ミュオンのみならず中性子、放射光を用いた目覚ましい文理融合研究の成果や施設の各種性能向上などを、皆様で共有したいと思います。
 皆様の御参加をお待ちしております。

 なお、11/3(金・祝)には、以下の先生方の一般講演を企画しております( 詳細 )。 一般の参加者向けにオンライン配信いたしますが、シンポジウムにご参加いただく方は、会場でご講演をご聴講いただけます。

▪ 「ミュオンで視る」
    三宅 康博 名誉教授(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所)
▪ 「江戸時代の小判と丁銀に施された表面処理技術の変遷と系譜」
    齋藤 努教授(国立歴史民俗博物館)
▪「中国古代青銅器の科学調査」
    廣川 守 館長(泉屋博古館)


世話人代表:下村浩⼀郎 (KEK物構研)


  • 開催日:2023年 11月 2日(木) ~ 11月 3日(金・祝)
  • 開催地: 国立科学博物館 上野本館 日本館 講堂 アクセス・利用案内
  • プログラム:第8回プログラム
  • 参加登録 : https://forms.gle/jeveHj9quFbnp464A
  • 参 加 費  :無料
  • お問い合わせ先:bunri_yugo@ml.post.kek.jp

  • 主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
  • 共催:国立科学博物館、人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
  • 協催:J-PARCセンター、大阪大学 核物理研究センター(RCNP)、日本中間子科学会、 大阪大学フォアフロント研究センター・先端ミューオン科学による文理協力型学術創出プロジェクト、 SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)文化財研究会

  • 世話人:代表 下村浩一郎(KEK)、三宅康博(KEK)、齋藤努(国立歴史民俗博物館)、沓名貴彦(国立科学博物館)、久保謙哉(国際基督教大学)、竹下聡史(KEK)、梅垣いづみ(KEK)、反保元伸(大阪大学)、雨宮健太(KEK) 、入江敦子(KEK)


  •  

    プログラム

    11月 2日(木)13:00~
    講演時間【質疑含む】 講演題名 講演者
     座長:下村浩一郎 
    13:00-13:05 挨拶 小杉信博(KEK物質構造科学研究所)
    13:05-13:10 挨拶 栗原祐司(国立科学博物館)
     座長:二宮和彦 
    13:10-13:40 ローマ、シリア属州発行の劣質銀貨の深さ方向分析 津村眞輝子(古代オリエント博物館)
    13:40-14:10 日本刀剣類の量子ビームを用いた金属工学的研究 鬼柳善明(北海道大学)
    14:10-14:40 放射光X線を用いた小惑星リュウグウの起源と水環境の推定 高橋嘉夫(東京大学 理学部)
    14:40-15:10 休憩(集合写真)
     座長:沓名貴彦 
    15:10-15:40 文化財を調査する前に 文化財保護法と博物館法 朝日美砂子(名古屋城調査研究センター)
    15:40-15:55 J-PARC負ミュオンX線元素分析装置の現状報告 反保元伸(大阪大学 核物理研究センター)
    15:55-16:10 ミュオンイメージング法による文理産融合研究に向けた基盤技術開発 今井隆行(総合研究大学院大学)
    16:10-16:35 J-PARCミュオン施設における文理融合研究の現状と今後 下村浩一郎(KEK 物質構造科学研究所)
    16:35-16:55 金研が始める新しい学際領域ハブプログラムについて 大石毅一郎(東北大学 金属材料研究所)
    16:55- 18:30  
    18:30-20:30 懇親会  
     
    11月 3日(金)10:00~
    講演時間【質疑含む】 講演題名 講演者
     座長:久保謙哉 
    10:00- 10:30 宇宙線ミュオン透過法による造山古墳の透視観測 居島薫(山梨大学)
    10:30- 11:00 東日本における古墳の特徴と非破壊内部探査の役割 田中裕(茨城大学 人文社会科学部)
    11:00- 11:30 地質・歴史記録から見通す巨大津波の将来像 篠崎鉄哉(国立歴史民俗博物館所)
    11:30- 12:00 日本の隕石と同位体分析 米田成一(国立科学博物館 理工学研究部)
    12:00- 13:30 休 憩(集合写真)
     司会:竹下聡史 
    13:30-13:35 挨拶 小杉信博(KEK 物質構造科学研究所)
    13:35- 14:15 一般講演:ミュオンで視る 三宅康博(KEK 物質構造科学研究所)
    14:15- 14:25 休 憩
    14:25- 15:05 一般講演:江戸時代の小判と丁銀に施された表面処理技術の変遷と系譜 齋藤努(国立歴史民俗博物館)
    15:05- 15:15 休 憩
    15:15- 15:45 一般講演:中国古代青銅器の科学調査 廣川守(泉屋博古館)

     


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