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【11/3開催】文理融合シンポジウム 一般講演会

講習会・セミナー

はたして丁銀(日本の銀貨)の中身は本当に純銀なのか? それを調べるために貴重な丁銀を切断するわけにはいきません。実はミュオンビームやX線CTを用いることで壊さずに文化財の内部を調べることができます。ミュオンとは何か。ミュオンビームやX線CTにはどのような特徴があるのか、どんな原理で文化財の内部を調べることができるのか。ミュオンビームで丁銀を、X線CTで中国古代青銅器を調べることで何が分かったのかを、最先端の研究者がわかりやすくお話しいたします。

講演

ミュオンで視る

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 三宅康博 名誉教授
専門:ミュオン科学

掌を空に向けてみてください。ミュオンという素粒子が、掌の上に毎秒1個ほどの頻度で空から降り注いでいます。地上に辿り着く宇宙線の7割程がミュオンです。エジプトのクフ王のピラミッドに隠された空間を見つけたり、膨大な放射線の下、福島の原子炉で溶け落ちた核燃料デブリを観察するなど、我々に身近なところで役立っている様を目にされた方もおられると思います。

東海村にあるJ-PARCという加速器では、人工的に、大量のミュオンを生み出すことができます。この人工的に造り出したミュオンを使って、切断したり削ったりすることなく、非変形・非破壊で貴重な文化財を調べることができます。講演では、その原理や、これまでに何がわかってきたのかなどについてご紹介したいと思います。

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江戸時代の小判と丁銀に施された表面処理技術の変遷と系譜

国立歴史民俗博物館 齋藤努 教授
専門:文化財科学

江戸時代の小判や丁銀は、発行時期によって金や銀の濃度が異なりますが、色付という表面処理によって、表層部での金・銀濃度を高くしていました。小判は、ある時期を境に色付が深くなっており、技術的な進歩があったことがうかがわれます。一方、丁銀は、色付の深さの変遷に特別な系統性がみられません。このことから、金座と銀座との間には、必ずしも技術的連携があったわけではなく、個別に製作が営まれていた可能性があります。

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中国古代青銅器の科学調査

泉屋博古館 廣川守 館長
専門:中国青銅器

中国古代に発達した青銅器は東アジア金属工芸の原点といわれ、そのかたちや紋様モチーフは後の時代に大きな影響を与えました。

そのため古くから考古学的研究が積み重ねられてきましたが、近年、その材質や内部構造についての研究に科学的手法が多く採用されるようになりました。

本講演では、これまで泉屋博古館が他研究機関と共同で実施した科学的調査により得られた内部構造に関する知見をご紹介いたします。

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開催概要

  • 日時:11月3日(金・祝)13:30〜15:55
  • 参加費:無料
  • 事前予約制(申し込みにはPeatixまたはconnpassへの会員登録が必要です)
  • オンライン
  • 対象:中学生以上
  • 定員:450名(先着順)
  • 申込〆切:当日(11/3)12:00

申し込み

個人情報の取り扱い

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入力いただいた情報は、下記のご案内などに利用させていただきます。

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  • Zoomウェビナーの接続情報のお知らせ
  • イベント終了後のアンケートのお願い

プログラム詳細

13:30〜13:35 ご挨拶 小杉信博 所長(KEK IMSS)
13:35〜14:15 ミュオンで視る 三宅康博 名誉教授(KEK IMSS)
14:15〜14:25 休憩
14:25〜15:05 江戸時代の小判と丁銀に施された表面処理技術の変遷と系譜 齋藤努 教授
(国立歴史民俗博物館)
15:05〜15:15 休憩
15:15〜15:55 中国古代青銅器の科学調査 廣川守 館長
(泉屋博古館)

この一般講演会の開催について

この一般講演会は、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る文理融合シンポジウムのプログラムの一部として開催されます。

第8回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

問い合わせ先

文理融合シンポジウム 世話人
電話:029-864-5631
メール:bunri_yugo[at]ml.post.kek.jp
[at]を「@」に置き換えてください。