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PF共同利用実験課題:申請区分について

更新日:2023年10月1日

放射光共同利用実験課題には、以下にあげる6つの申請区分があります。それぞれの特徴や審査方法等をまとめましたので、申請の際の参考にしてください。

G型(一般) P型(初心者) S1型(特別1) S2型(特別2) T型(大学院生奨励) U型(緊急かつ重要)


区分課題の性格申請締切有効期間
G型(一般)
一般的な放射光利用実験 前期:11月中旬
後期: 5月中旬
2年
区分の特徴
  • 一般的な放射光利用実験です。
  • 放射光利用の経験を有する研究者、またはそれに相当する力を持った研究者が放射光利用実験を行なうための分類です。
制限事項
  • (2023年度前期課題公募より)以下の申請資格が追加されました。
    国内の大学の博士後期課程に在学する大学院生(課題有効期間の開始日までに博士後期課程に進学予定の修士2年生を含む)で放射光実験の経験を有する者
審査の手順
  1. ステーション担当者による確認(参考意見)
  2. レフェリー(3名)による予備審査
  3. 放射光共同利用実験審査委員会 (Photon Factory Program Advisory Committee, PF-PAC) による総合評価
審査のポイント
  • 学問的・技術的な価値(学問と技術の観点から総合的に評価)
  • 技術的な実行可能性
  • 実験組織の能力
申請前にしていただきたいこと
  • 課題が有効となる時点で大学院生(博士後期課程)の方は、所属大学の指導教員と相談の上で申請して下さい。
採択後にしていただきたいこと
  • 課題が有効となる時点で実験責任者が大学院生(博士後期課程)の課題は、申請した課題が採択された後、実験開始までに、「実験の実施にあたり、安全確保や損害賠償などに関して、実験責任者である学生との連帯責任を負うものとする」旨の誓約書(指定書式)を指導教員から提出していただきます。
ビームタイム配分
  • 評点にしたがって、ビームタイム配分委員会で配分が決定されます。
  • 評点が低い場合、採択されても、ビームタイムが配分できない場合があります。

区分課題の性格申請締切有効期間
P型(初心者)
放射光を利用した当該実験手法の未経験者による実験 随時受付 約1年
(採択後、1年を超えて迎えた3月末ないし9月末のうち、早い方まで)
区分の特徴
  • 初心者の申請をG型課題と同等に審査して不利になることを防ぎ、初心者の利用を奨励するための課題です。
  • 「初心者」とは、放射光利用の初心者だけでなく、当該実験手法の未経験者を含みます。例えば、タンパク質結晶構造解析の経験者が、未経験のX線小角散乱実験を始めようとする場合はこれに該当します。
  • 実験組織の中に経験者を加えることができます。
  • G型申請をするためのワンステップであって、短期型という性格ではありません。
  • 2020年度より、P型課題の予備実験型は廃止されました。予備実験を希望される場合は、実験ステーション担当者にご相談ください。
制限事項
  1. 有効期間内の総ビームタイムは原則として120時間以内とし、レフェリーコメントとステーション担当者の意見をもとにPF-PAC委員長が設定します。
  2. 一実験責任者は有効期間の重なるP型課題を複数申請することはできません。
  3. 一実験ステーションあたり有効な課題は原則として3件以内とします。
  4. 事前打ち合わせの段階で、放射光実験施設として申請をお断りする場合もあります。
審査の手順
  1. ステーション担当者による確認(参考意見)
  2. レフェリー(2名)による予備審査
  3. レフェリーの評価に基づきPF-PAC委員長が採否と配分時間を決定(PF-PACへ報告)
審査のポイント
  • 学問的・技術的な価値(学問と技術の観点から総合的に評価)
  • P型申請の必要性、妥当性について
申請前にしていただきたいこと
  • 申請前に実験ステーション担当者と技術的なことについて緊密に打ち合わせてください。(申請書に、打ち合わせ済みかどうかのチェック項目があります)。
  • 実験組織に経験者を含む場合は、その経験者と打ち合わせていただいても構いません。その場合、組織に含まれる経験者の方は、申請希望者から相談を受けた際、速やかに実験ステーション担当者に連絡してください。また、打ち合わせの進捗状況及び内容について、必要に応じてまたは実験ステーション担当者からの問い合わせに応じて、実験ステーション担当者に開示してください。
  • 誰に相談して良いか分からない場合、どの実験ステーションを利用すればよいかわからない場合は、フォトンファクトリー利用相談窓口 pfexconsult[at]pfiqst.kek.jp にご相談ください。適切な実験ステーション担当者に引き継がせていただきます。
採択後にしていただきたいこと
  • 次のG型申請へ発展することを期待しています。
ビームタイム配分
  • 優先的にビームタイムを配分します。
  • 空きビームタイムや留保ビームタイムがある場合は、採択後速やかに実験を実施することができます。

区分課題の性格申請締切有効期間
S1型(特別1)
ビームライン改造・建設および大型装置の整備を伴うプロジェクト研究 随時受付 3〜5年
区分の特徴
  • ビームライン改造・建設および大型装置の整備を伴うプロジェクト研究です。プロジェクト研究的な課題であっても、既存のビームラインや装置を使用する研究はS2型を申請してください。
  • 装置建設費・実験費等(の一部)をPFが負担する場合もあります。
制限事項
  • あらかじめPF-PACで審議され、申請が認められた課題のみが申請できます。
  • 国外から申請する場合は、国内の研究者を実験参加者に加えてください。
審査の手順
  • PF-PAC委員による書面審査
審査のポイント
  • PF-PACの審議により採択・不採択が決定されます(評点は付けません)。
申請前にしていただきたいこと
  • PF-PACで審議され、申請が許可される必要があります。
  • 詳細は、物質構造科学研究所・放射光実験施設(pfexconsult[at]pfiqst.kek.jp)にご相談ください。
採択後にしていただきたいこと
  • ビームライン・装置の建設・立ち上げフェーズ終了後も装置の維持・管理他の共同利用者へのサポートの義務があります。
  • 有効期間終了後は、S2課題を申請いただくなどで、研究成果をあげていただくことを期待しています。また、共同利用へのサポートも引き続きお願いします。
  • 量子ビームサイエンスフェスタ(PFシンポジウム)で進行状況を報告していただきます。毎年、自己評価書の提出、5min程度のオーラル発表、およびポスター発表をしていただきます。進行状況はPF-PACで評価されます。
  • 課題開始時以降、課題の概要、進行状況(成果リスト、量子ビームサイエンスフェスタ発表ポスター、PF Activity Report発表レポートを含む)等を集約してウェブサイト上で報告していただきます。
ビームタイム配分
  • ビームライン・装置の建設・立ち上げフェーズ終了後は最大50%程度までの優先的利用が認められます。

区分課題の性格申請締切有効期間
S2型(特別2)
長期のビームタイムを必要とする放射光を駆使した高度な研究
技術的困難度が高いが成功すれば高い評価の得られる実験
前期:11月中旬
後期: 5月中旬
3年
区分の特徴
  • 長期のビームタイムを必要とする、放射光を駆使した高度な研究・難易度の高い研究を行なうための分類です。ただし、装置・ビームラインは既存のもの(小規模な改造は可)を用いることとします。
  • かなりの時間をPFでの実験に割ける体制が必要になります。実験責任者は物構研の客員研究員(客員教授等)に、また、中心的に実験を行なう大学院生は特別共同利用研究員になっていただくことを推奨します。
  • 実験費(の一部)をPFが負担する場合もあります。
制限事項
  • 国外から申請する場合は、国内の研究者を実験参加者に加えてください。
審査の手順
  1. ステーション担当者による確認(参考意見)
  2. PF内部での技術的な詰め(予算・運転モード・ステーションの状況等)の検討
  3. レフェリー(5名以上)による書面審査
  4. レフェリーによるヒアリング評価
  5. PF-PACによる総合評価
審査のポイント
  • 学問的・技術的な価値(学問と技術の観点から総合的に評価)
  • 技術的な実行可能性
  • 実験組織の能力
  • 全体の実験計画との関連
  • S2型申請の必要性、妥当性について
申請前にしていただきたいこと

採択後にしていただきたいこと
  • 量子ビームサイエンスフェスタ(PFシンポジウム)で進行状況を報告していただきます。中間評価および最終評価の2回、自己評価書の提出、5min程度のオーラル発表、およびポスター発表をしていただきます。進行状況はPF-PACで評価されます。
  • 課題開始時以降、課題の概要、進行状況(成果リスト、量子ビームサイエンスフェスタ発表ポスター、PF Activity Report発表レポートを含む)等を集約してウェブサイト上で報告していただきます。
ビームタイム配分
  • S2課題の優先性を考慮にいれ、ビームタイム配分委員会がビームタイムを決定します。ただし、各課題がビームタイムの25%を超えないこと、および1ビームラインでのS2型課題の合計がビームタイムの50%を超えないことを原則とします。

区分課題の性格申請締切有効期間
T型(大学院生奨励)
放射光を高度に活用した優れた研究を主体的に推進する大学院生(博士課程)を、大学とPFが共同して指導、支援を行い、放射光科学の将来を担う人材の育成を行う。 前期:11月中旬
後期: 5月中旬
最長3年
(博士課程3年次終了まで)
区分の特徴
  • PFを利用して学問的に高く評価できる研究主体的に推進しようとする大学院生の研究を推進するための分類です。
  • 放射光を高度に活用した優れた研究をしていただくために、大学とPFが共同して指導・支援を行ないます。
  • 実験準備や教員との打ち合わせのための旅費を一定範囲で支給して、課題の推進を支援します。
制限事項
以下の1. 2. の両方に該当する大学院生が申請できます。
  1. 国内の大学の博士後期課程に在学する大学院生(課題有効期間の開始日までに博士後期課程に進学予定の修士2年生を含む)で放射光実験の経験を有する者
  2. KEKの外部に指導教員をもち、かつ、PFスタッフを受入教員とする特別共同利用研究員として長期滞在する者、もしくは長期滞在する予定の者
審査の手順
  1. ステーション担当者および受け入れ担当教員による確認(参考意見)
  2. PF内部での技術的な詰め(予算・運転モード・ステーションの状況等)の検討
  3. レフェリー(3名)による書面審査
  4. レフェリーによるヒアリング評価
  5. PF-PACによる総合評価
審査のポイント
  • 学問的・技術的な価値(学問と技術の観点から総合的に評価)
  • 技術的な実行可能性
  • 申請者の主体性と実験組織の能力
  • 学位取得全体の実験計画との関連
  • 基本的にG型と同様の基準で審査しますが、申請者が主体的に申請していることが採択の前提となります。
申請前にしていただきたいこと
  • 大学側教員、PF側受け入れ担当教員と十分な打ち合わせを行ってください。
  • PF側受け入れ担当教員の許諾を得てから申請してください。
採択後にしていただきたいこと
  • 採択された場合は、特別共同利用研究員に申請してください。
  • 申請した課題が採択された後、実験開始までに、「実験の実施にあたり、安全確保や損害賠償などに関して、実験責任者である学生との連帯責任を負うものとする」旨の誓約書(指定書式)を指導教員から提出していただきます。
  • 量子ビームサイエンスフェスタ(PFシンポジウム)で進行状況を報告していただきます。毎年、自己評価書の提出、およびポスター発表を、加えて最終報告時には5min程度のオーラル発表をしていただきます。進行状況はPF-PACで評価され、研究推進のための必要な助言を行ないます。
  • 課題の概要や申請者についてウェブサイト等で紹介することがあります。
  • 課題終了後、A4数枚程度の報告書を提出していただきます。
ビームタイム配分
  • G型と同様、評点にしたがって、ビームタイム配分委員会で配分が決定されます。

区分課題の性格申請締切有効期間
U型(緊急かつ重要)
次回の審査委員会を待てないほど緊急で、かつ採択済みの課題に優先して実施する価値のある極めて重要な課題。 随時 6ヶ月以上1年未満
区分の特徴
  • 次回のPF-PACを待てない程緊急でかつ採択済みの課題に優先して実施する価値のある極めて重要な課題を速やかに実施していただくための課題です。
  • 対応可能な場合は、配分済みのビームタイムをキャンセルするほどは緊急性・重要性が高くなくても、一定の基準以上の緊急性・重要性のある課題についても受け付けます(留保ビームタイムを確保している、あるいはビームタイムに空きのあるビームラインでの申請を想定しています)。
制限事項

審査の手順
  1. ステーション担当者による確認(参考意見)
  2. レフェリー(3名)による予備審査
  3. レフェリーの評価に基づきPF-PAC委員長が評点と採否を決定(PF-PACへ報告)
審査のポイント
  • 学問的・技術的な価値(学問と技術の観点から総合的に評価)
  • 技術的な実行可能性
  • 実験組織の能力
  • U型申請の必要性、妥当性について
申請前にしていただきたいこと

採択後にしていただきたいこと
  • 量子ビームサイエンスフェスタ(PFシンポジウム)で結果をポスター発表として最終報告していただきます。成果によっては、オーラル発表を依頼する場合もあります。
ビームタイム配分
  • 非常に緊急性・重要性が高い課題の場合(評点が高い課題の場合)、ビームタイム配分済みの課題をキャンセルしてでも優先的にビームタイムが配分されることがあります。
  • 緊急性・重要性がそれほど高くない場合、他の課題と同様評点に応じてビームタイムを配分します。また、留保ビームタイムや空きビームタイムがある場合は、採択後速やかに実験を実施することができます。