IMSS

4種のビーム

ミクロの世界を見極める 4種のビーム

物構研は、加速器から生み出される放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子という4種のビームを総合的に活用し、"ミクロの世界"というフロンティアに挑み続けています。



放射光

加速器から発生する幅広いエネルギー(波長)をもつ高輝度の光です。短波長の紫外線やX線を使うと物質を構成する原子の並びや電子の振る舞いを調べることができます。

低速陽電子

陽電子は電子の反粒子で、線形加速器の電子ビームから生成されます。陽電子は、電気的性質から物質表面近くに侵入する深さを自由に変えることができるため、最表面に対する感度が非常に高く、最表面やそのすぐ下の原子配置を精度よく決めることができます。

中性子

陽子加速器によって作られる中性子線は、水素やリチウムなど軽元素の構造や動きを観察するのに適しています。また、同位体と呼ばれる特殊な原子を用いて見たい箇所を着色したり、高い透過力を利用して物質の内部の構造を調べることも可能です。

ミュオン

ミュオンは、陽子加速器で作るπ中間子の崩壊によって作られます。生まれながらに磁石の性質を持つ原子サイズの方位磁針として、物質の局所磁場を調べられます。また、負ミュオンは原子に捕まると発生する元素に固有なX 線を利用して、元素分析も可能です。