KENS 中性子科学研究系

KEK

月例研究報告 4月

1. 共同利用状況など

【2016B期課題公募】

 一般課題の2016B期(平成28年度下期)に係る公募が、平成28年5月17日(火) ~ 平成28年6月7日(火) に行われることとなった。2016B課題の実施期間は、平成29年2月〜3月、ビーム出力は150kW程度が予定されている。

 

2. 人事

【茨城大学クロスアポイントメント】

 KEKと茨城大学のクロスアポイントメント協定に基づき、4/1より大友教授が大学院理工学研究科量子線科学専攻の教授として着任した(出向)。量子線科学専攻は、理工学研究科の改組に伴い新設されたもので、茨城量子ビーム研究センターやJ-PARCにおいて、中性子利用に講義や実習を行う。

3. 研究グループの活動状況

(1) 量子物性グループ

【 BL23偏極中性子散乱装置POLANO 】

 装置整備・開発等

 PPS担当者および施設管理責任者によるPOLANOのPPS検査を行い、合格した。これによりシャッター信号が点灯し、いよいよビーム受け入れが近づいてきた。

 

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図1. 点灯したBL23のシャッター信号

 

【 BL23偏極中性子散乱装置POLANO 】

 装置整備・開発等

 遮蔽体内作業台の加工、梯子の据え付けなど、軽微な作業を継続している。

 

【 研究会等 】

 5th International Conference on Superconductivity and Magnetism (ICSM2016)

 日時:2016.4.24-30
 場所:Fethiye, Turkey

  •  Magnetic Excitation of Hole-doped Haldane Chain Nd1.9Ca0.1BaNiO5
     T. Yokoo, S. Itoh, S. Ibuka, Y. Ikeda, H. Yoshizawa, J. Akimitsu
  •  Weyl Fermions in Spin Waves of Metallic Ferromagnet SrRuO3
     S. Itoh, Y. Endoh, T. Yokoo, S. Ibuka, J. G. Park, Y. Kaneko, K. S. Takahashi, Y. Tokura, N.Nagaosa

 

(2) ソフトマターグループ

【 BL16ソフト界面解析装置SOFIA 】

 ディスクチョッパー改造

 BL16では、ガドリニウムの塗装を施したディスクチョッパーをこれまで使用してきた。BL16で使用する波長は主に0.2 nmより長波長のため、ガドリニウムでも大きな問題が無く使えていたが、使える波長帯を広げるためにチョッパーの回転数を半分にした「ダブルフレームモード」では、ガドリニウムで止めることの出来ないエネルギーの高い中性子によるバックグラウンドが問題となる。このようなエネルギーの高い中性子はインコネルを用いたT0チョッパーで止めることが出来るが、ノイズによる影響と思われる誤作動により急停止するという現象が度々起きていた。
 そこで、今回ガドリニウムを塗装したディスクチョッパーとB4Cレジンのブロックによる簡易T0チョッパーを組み合わせた対向式のディスクチョッパーを導入した。チョッパーは通常の25 Hz運転に加えてダブルフレーム用の12.5 Hz運転を行うことができ、回転開始から1分以内で規定の回転数に達する。位相のズレは0.1度以内で安定しており、ディスクチョッパーとしての要求仕様を十分満たしている。また、位相と回転数は測定プログラムから変更ができ、将来的には位相や回転数を変えながらのオートラン測定が行えるようになる予定である。

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図2. 新しいディスクチョッパーの外観(保護用のカバーを外した状態)。手前側に窓付きのアルミ板がガドリニウムの塗装を施したディスクチョッパー、奥側にB4Cレジンのブロックを固定した簡易T0チョッパー。