2018A期 J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)実験課題(短期)の 公募が、平成29年10月17日(火)~ 11月7日(火) 17:00 (JST)に行われ、中性子課題として259件の応募があった。なお、2018A期の陽子ビームの出力は500 kWを予定している。
MLFチョッパーユーザーミーティング DIRECTION 2017
2017年10月16日~17日の二日間にわたり、いばらき量子ビーム研究センター(IQBRC)多目的ホールにおいて、MLFの4 台の直接配置型(チョッパー型)中性子分光器(BL01, BL12, BL14, BL23)が合同でユーザーミーティング「DIRECTION 2017」を開催した(MLF、KEK物構研、CROSSの共催)。本ミーティングでは各装置、試料環境、ソフトウェアの最新状況に加え、各装置における最近の実験成果が紹介された。研究発表は超伝導体、量子スピン系、f電子系等の磁性分野から熱電材料、液体、タンパク質まで多岐にわたり、高圧測定、ブリルアン散乱、MDA解析等の新しい測定・解析手法の紹介も行われた。総計62名の参加者からは研究内容に関する熱心な質疑が交わされた一方、試料環境や実験条件検討のための情報の提供等、装置や施設に対する要望も寄せられた。プログラムは以下の通り。
DIRECTION 2017 | |
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はじめに | 横尾 哲也 |
BL01 四季分光器 | 梶本 亮一 |
BL12 高分解能チョッパー分光器 | 伊藤 晋一 |
BL14 冷中性子チョッパー分光器 | 中島 健次 |
BL23 偏極中性子散乱装置 | 横尾 哲也 |
共通試料環境の現状 | 河村 聖子 |
「空蝉」展望~現状と最新トピック~ | 稲村 泰弘 |
制御プログラムYUI・可視化プログラムHANAの現状 | 川名 大地・益田 隆嗣 |
パリエジンバラプレス及びクランプセルを用いた高圧非弾性散乱実験 | 服部 高典 |
基底一重項磁性体CsFeCl3の圧力誘起量子相転移の研究 | 林田 翔平 |
中性子準弾性散乱による蛋白質と水和水のダイナミクス解析 | 松尾 龍人 |
中性子準弾性散乱におけるモデルフリー解析Mode Distribution Analysisの現状と可能性 | 菊地 龍弥 |
バルクおよびナノ粒子パラジウム中の水素原子の振動状態 | 古府 麻衣子 |
チョッパー分光器による磁気励起観測から見たf電子の局在と遍歴 | 岩佐 和晃 |
Au-Si-Tb 系近似結晶の磁気構造と磁気励起 | 佐藤 卓 |
熱電材料におけるカゴを持たないラットリングのダイナミクス | 李哲虎 |
中性子ブリルアン散乱による液体の集団ダイナミクスの観測 | 吉田 亨次 |
中性子非弾性散乱とマクロ物性測定によるLa2-xSrxCoO4の磁気相図 | 吉田 雅洋 |
T'構造銅酸化物Pr1.4La0.6CuO4の磁気励起に対する還元アニール効果 | 浅野 駿 |
オーバーホールドープ領域におけるBa1-xKxFe2As2の磁気励起 | 堀金 和正 |
AMATERASを用いたスピンダイマー磁性体の磁気励起 | 栗田 伸之 |
4SEASONSを用いたspin-1/2三角格子の磁気励起 | 飯田 一樹 |
スピネル酸化物MnV2O4におけるスピン軌道結合励起の観測 | 松浦 慧介 |
磁性材料の中性子ブリルアン散乱器 | 小野 寛太 |
おわりに | 梶本 亮一 |
図1. DIRECTION 2017の参加者。
図2. (左)会場内での質疑応答の様子。(右)IQBRC交流コーナーで行われた懇親会の様子。
学会発表
受賞等
Yuji Higaki,
“Ion-Specific Hydration States and Interaction Potentials of Zwitterionic Poly(sulfobetain) Brushes”,
IUMRS-ICAM 2017 Young Scientist Award GOLD AWARD, 2017/8/30
論文等