KEK名誉教授の坂部知平(さかべ・のりよし)先生(享年91)におかれましては、令和7年10月9日にご逝去されました。ここに謹んでお知らせいたします。
坂部先生は、1985年にKEK(当時:高エネルギー物理学研究所)に赴任され、1987年には、自身の開発した大型ワイセンベルグカメラを用いたタンパク質結晶構造解析用のビームラインBL6A2を立ち上げました。このビームラインは、2009年ノーベル化学賞を受賞されたアダ・ヨナット博士をはじめ、国内外の多くのユーザーが利用し、たくさんの成果が生まれました。 坂部先生は、PFの広報誌として現在も発刊されているPFニュースの初代編集長でもあります。昨年9月に開催された「第3回PF同窓会講演会」での「私と放射光」と題するご講演の中で、放射光との出会い、そしてその素晴らしさを全国の研究者に伝えるべきという先生のアイディアがPFニュースという冊子になったことを楽しそうにお話しされていました。
なお、ご葬儀は近親者で執り行われました。
坂部先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
物質構造科学研究所長
船守 展正