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BL-27A: 放射性試料用軟X線実験ステーション

概要

ビームライン群 第1分科(軟X線吸収分光)
主な手法
  • 軟X線生物試料照射
  • XPS
  • 軟X線XAFS
特徴
  • 放射性試料(RI, 核燃料物質)が利用可能です。
  • リン,イオウのK殻吸収端付近の単色軟X線を、空気中で細胞試料に照射できます。
  • 生物試料準備室が隣接しており、細胞の調製、照射後の分析がオンサイトでできます。
  • ヘリウム雰囲気中で蛍光XAFSが測定できます。
主な研究分野
  • 放射線生物学
  • 原子力科学・廃炉技術
  • 原子力発電所事故に伴う環境回復(除染など)
  • 表面科学
運営形態
  • ユーザーグループ運営ステーション
担当者
  • PF担当者:宇佐美 徳子 noriko.usami★kek.jp
  • 放射線生物UG代表:横谷 明徳 (QST) yokoya.akinari★qst.go.jp
  • 原子力基盤研究UG代表:岡本 芳浩 (JAEA) yokamoto★spring8.or.jp
  • メールアドレスは★を@に変えてご利用ください。
備考
  • 放射性物質を用いる実験は、最低1ヶ月前に放射線管理室に書類を提出する必要があります。使用できるRI・核燃料物質の核種および量については規定があるので、担当者にご相談ください。
  • 本ステーションは非密封RI管理区域内にありますので、RIを使用しない実験であっても、入域に関しては一般の実験ホールとは違う手続きが必要になります。

スペック

光源
  • 2.5GeV PFリング 偏向電磁石(B27)
光学系
  • 二結晶モノクロメーター [InSb(111)]
  • 前置集光鏡(Pt coated SiC, bent cylindrical)

BL-27の構成
エネルギー範囲
  • 細胞照射:2 〜 4 keV
  • XPS, XAFS:1.8 〜 5 keV
エネルギー分解能(ΔE/E)
  • 〜10-3
ビームサイズ
  • 20 mm (H) x 4 mm (V) (生物照射用真空層)
  • 6 mm (H) x 3 mm (V) (生物照射試料位置、空気中)
ビーム強度
  • 空気中(生物照射):1 kR@2.1 keV(P K殻吸収端)
  • 真空中:1011 photons/s、7 kR/s
公開している装置
  • 軟X線細胞照射装置(スキャン機構によりビームより大きな試料に均一に照射できます)
  • XPS
  • 蛍光XAFS測定装置
検出器
  • 細胞照射用:自由空気型電離箱
リモート/メールイン測定
  • 不可
特記事項
  • 細胞照射:大気圧下での照射(市販の35mm培養ディッシュなど)が可能です。ビームサイズより広い領域の試料に均一に照射するためのスキャン機構を有しています。水溶液試料には、攪拌しながら照射できる溶液セルが準備されています。
  • 蛍光XAFS:He置換可能なグローブボックスが用意されており、大気圧下での測定が可能です。溶液試料にも対応しています。
  • 持ち込み装置:大気中またはヘリウム雰囲気に取り出した軟X線を利用する装置を設置することができます。スペースに制約がありますので、担当者にご相談ください。

詳しい情報

参考文献

  1. H. Konishi et al., Nucl. Instrum. Methods, A372, 322 (1996), doi:10.1016/0168-9002(95)01241-9 : BL-27A, B 全般に関すること
  2. K. Kobayashi, Proc. International School of Physics, Course CXXVII, p333 (1996), doi:10.3254/978-1-61499-214-1-333 : 放射線生物学関連装置および生物試料準備室
  3. M. Honda et al., Rev. Sci. Instrum., 86, 035103 (2015), doi:10.1063/1.4913653蛍光XAFSに関すること

成果一覧

KEK放射光共同利用実験研究成果データベース(BL-27Aの成果)

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Last updated: 2021-8-25